「光の八十八ヶ所」を巡る旅
「LEDバレイ徳島フォーラム」が開催される前に、徳島に行ってきました。約30年ぶりの徳島でしたが、その頃は当然青色LEDがなく、まさか今日のような「LEDの徳島県」は想像もしていませんでした。今では世界最大級のLED生産拠点である徳島が地域ブランドを確立するため、県内にLEDによる「光の名所」と呼べる場所やモニュメントなどが「四国八十八ヶ所霊場」に因んで「光の八十八ヶ所」として認定されています。
現在はまだ八十八ヶ所に至っていませんが五十ヶ所以上もあるようです。光の名所は徳島市内だけではなく阿南市、鳴門市などへと広がりをみせており、毎年数ヶ所が認定されています。点灯期間は各ヶ所によって異なりますが、クリスマス前から年始にかけて行けば全てを見ることが可能かと思います。
1月中旬に徳島を訪れた時は八十八ヶ所のうち、集中して四~五ヶ所もある新町川沿いの光が点灯していたので、以下に紹介したいと思います。
新町川水際公園
写真4. 新町川水際公園
近くにはおそらく桜だと思われる木があり、それがピンク色のイルミネーションで飾られています。手すりの青色LED光とのコントラストが綺麗でした。
新町橋「光のマトリックス-白色LEDによるオペレッタ」
橋側と桁裏の一部が白色LED一色で光っていました。整然と並ぶ白色の光はまるでピアノの鍵盤のように、点滅によって光のリズムが刻まれます。川の流れによって川面に映り込む光の効果も面白いです。
写真5. 新町橋「光のマトリックス-白色LEDによるオペレッタ」 上:全点灯、下:点滅中のあるシーン
SORAとMIZU
「徳島LEDアートフェスティバル2010」のLEDアート作品として制作されたようです。気温の変化、街の騒音、車両の通過による橋の振動、そして宇宙の彼方から飛来する宇宙線などの信号を受取り、それが光の色彩や動きとなって両国橋を覆っています。
自然の息吹と常に変化していく街の表情を光の変化で象徴化しています。このようなコンセプトを知って光を見ると興味は倍増します。
写真6. SORAとMIZU
虹のラクーン
これも「徳島LEDアートフェスティバル2010」のLEDアート作品として制作されたものです。LEDの虹色で光る橋側に描かれた白色光の絵。これを見た時はその光の変化に何のメッセージがあるのか、はじめは分かりませんでした。
しかし後になって、虹は未来にかける心の橋で、ラクーンはタヌキのことで、化かして現実の夢と橋渡しをする幸運のシンボル、と知りました。そんなタヌキを光の絵文字で少し抽象的に表現されています。
虹の橋を渡る物語を、親子で楽しんで語り、記憶の水上に残る体験であってほしいと願って照明されているそうです。
写真7. 虹のラクーン
以上のように徳島から発信されるLED関連情報に興味があるようでしたら、まずは常設展示場「LEDバレイ徳島」に足を運んでみてはいかがでしょうか。
【公益財団法人 とくしま産業振興機構】
LEDバレイ徳島については上記HPをご覧ください。
【リビングデザインセンターOZONE】
場所 - 東京都新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワー
営業時間 - 10:30~19:00
休館日 - 水曜日(祝日は除く)・夏期・年末年始
Copyright(c)中島龍興照明デザイン研究所 All rights reserved.