自動車保険

人身傷害保険の補償設定3つのポイント(2ページ目)

自動車保険の「ヒト」の補償・人身傷害保険をクローズアップ! 損害額算出のしくみと補償設定の3つのポイントを紹介します。

執筆者:柳澤 美由紀

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いくらがベスト?人身傷害保険金額の設定ポイント

人身傷害保険の場合、保険金額の範囲内で損害額が支払われるため、契約時に保険金額をいくらに設定するかが重要になります。上限は2億円ですが、保険料とのバランスを考えるとそれだけの補償が必要なのか迷いますね。

人身傷害保険の保険金設定で忘れてならないのが「後遺障害」になったときの経済的損失です。死亡に関しては、生命保険でしっかり準備していれば人身傷害保険は3000万円でも問題ないかもしれません。ケガの補償に関しては、3000万円を超える治療費がかかるのは考えにくい。しかし、後遺障害が残った場合、事故前の仕事が続けられずに収入が減少したり、通院やリハビリ、介護サービスなどの費用負担が長期間続いたりすると、経済的負担は大きくなります。

扶養家族が多く、家計に与えるダメージが大きいと思われる場合は5000万円以上で設定するのが賢明です。シングルの方やご夫婦二人暮らしの方に関しては、3000~5000万円を目安に設定されるとよいでしょう。
 

「車内のみ補償」の設定は慎重に

交通事故

交通事故に遭うのは車内だけじゃない

人身傷害保険は記名被保険者(本人)とその家族であれば、歩行中や自転車に乗っている時など、契約している車に乗っていない場合の自動車事故も補償されるのが一般的です。しかし、「車内のみ補償」などのかたちで、契約している車に乗っているときだけを補償することも可能です。そうすることで保険料は軽減するので、利用している人も多いのではないでしょうか。

しかし、自転車に乗っている家族がいるなら車外補償を付けておくのがベストです。自転車に乗っているときに事故に遭った場合、自動車事故のときと同じ算定基準で損害額を算出し、ケガなどの損害が補償されます。

たとえば、中学1年生の男の子が自転車走行中に車と衝突し、頭部を強打。後遺障害7級に認定される障害をおったケースがあります。脳の障害が残り、簡単な仕事以外の職業に就けないということで、逸失利益として4172万円が算定されました。自転車事故であっても、重い障害を負うことはあるのです。第三者への損害賠償をカバーする「個人賠償責任保険(特約)」とあわせて備えておくと万全でしょう。
 

車を複数所有している場合は

夫と妻、それぞれが車を所有するなど、複数の車がある場合、各車に人身傷害保険を付けていることがあります。このとき、すべてを「車内・車外ともに補償」にするのはNG。車外補償が重複することになります。この場合、2台目以降の車は「車内のみ補償タイプ」にすると、保険料の無駄を防げます。

人身傷害保険は「責任割合にかかわらず損害額が補償される」「示談交渉を待たずに保険金が支払われる(支払いが比較的スピーディー)」のメリットがある、自分や家族のための保険です。補償の仕組みを理解して、イザに役立つ保険にカスタマイズしましょう。
※本件ガイドが提供する記事は、特定の保険商品の募集を目的としたものではありません。また、掲載される情報の著作権は株式会社オールアバウトが有し、各国の著作権法、各種条約およびその他の法律で保護されています。
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