「世代間」から「世代内」へ!本格的格差社会のスタート

ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんが語る家計の守り方

ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんが語る家計の守り方

今年の景気やマネー環境はどうなるのか。家計を考える上で気になる動向を、FPの深野康彦さんがわかりやすく解説します。家計防衛の実践編ともいうべき「マネープランクリニック」の前に、その傾向やポイントを理解し、今後の家計管理に活かしてください。

マネーという観点で今年はどういう年になるのかーー。一言で表すならば「世代内格差の始まり」ということになると思います。

これまで「世代間格差」はずっと言われ続けてきたことです。しかし、これからは同級生や同期生、そういう中で収入や待遇の格差が生まれてくるわけです。

その背景には、根本的に経済再生は厳しい状態にあるということです。確かに大企業の決算は過去最高益を更新する数も多く、賃金も2年連続ベア(ベースアップ)になりそうですが、中小企業はとてもそこまで改善していません。企業の規模だけではなく、地域格差も出るでしょう。都心は景気回復や訪日外国人消費などの恩恵を受けても、地方にまではまだ波及はしていません。

したがって、同じ世代でも収入がアップする人もいれば、逆にダウンする人もいる。正社員についても多くの企業がまだ、雇用できるほどの体力がありません。結果的に非正規雇用は今年も減らず、そこでも格差が生じてしまうわけです。

相続税の増税が話題となっていますが、その一方で住宅取得資金や教育資金などでの贈与税の非課税制度や控除枠がより利用しやすくなりました。しかし、その恩恵も贈与するだけの資産を持っている人、その子どもや孫に限ったこと。税制でも格差は広がりつつあるのです。

アベノミクスで景気は今年も悪くはない、リスクに備える用意を

2017年4月の消費増税には注意

2017年4月の消費増税には注意

ただ、投資環境に目を向けると、今年もアベノミクスの恩恵は受けられるでしょう。追加の金融緩和があるかもしれないし、株主への利益還元も活発になりそうな気配です。ただし、安倍政権発足から1年あまりで平均株価が6割近くも上昇した、あれほど急激な伸びはもはや期待できません。加えて、今年は為替も含めて、乱高下の様相です。

したがって、今年の相場も上昇傾向にはありますが、より慎重さが必要になってくるはず。個人投資家は長期保有にこだわらず、短・中期売買でこまめに利益確定をした方がいいかもしれません。

また、株価が上がって景気もいいと感じると、つい勢いで何かをしてしまいがち。たとえば、住宅ローンを大きく借りてしまうとか。実はこれがとても怖い。実際、2014年度上半期のフラット35利用者の世帯年収が初めて600万円を切りました。一方、住宅価格は上昇しています。つまり、収入に対しての住宅ローン負担は相対的に大きくなっているということです。

気をつけるべきは2017年4月に予定している再度の消費税アップ。実施されれば、一気に景気が冷え込む可能性があります。今のうちに堅実、健全な家計管理を実践して、次のリスクに備える。そんな年にしてほしいと思います。

教えてくれたのは……
深野 康彦さん
業界歴26年目のベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。オールアバウト貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

【マネープランクリニック記事へはコチラから】
27歳、共働きで貯蓄400万円。いつ家を買えますか?
収入11万、貯金10万円の貧困女子。貯金を増やすには?
40歳独身女性、月収12万円。老後の備えをどうすべき?

取材・文/清水京武
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。