ヤコブセンを彷彿する北欧レトロデザイン・フロアランプ
先日、友人Kさんが古いフロアランプを持ち込んできました。これがなかなかのモノで、思わず皆さんにご紹介したいたなぁ!と思いましてね。
題して【修復】北欧レトロ・フロアランプ「解体と洗い」編
ことの始まりは、「修理できる業者さんの紹介を」でした。
「親の代から愛用している古いフロアランプを修理したいからどこか直せる業者さんを紹介してほしい」とKさんからの電話。
『直せるも直せないもどのような状態のものなのか?わからなければ紹介のしようがないので一度ボクの事務所へ持っていらしたら』と返事。
で、数日後、フロアランプが事務所へ。
最初に見た印象は、レトロな北欧デザイン。最近観た「ストックホルムでワルツを」のインテリア(部屋)にさり気なくありそうなフロアランプではないですか。
シェード(傘)のフォルムは、ヤコブセンのAJシリーズを彷彿させます。う~ンAJよりもっと古いかな・・・Kさんにお聞きすると70~80年は前のモノだ、とか・・・納得!
ここでAJフロアランプについて。
AJランプはデンマークの建築家・デザイナー:アルネ・アコブセン(Arne Jacobsen)が1959年にコペンハーゲンのロイヤルホテルの為にテーブルランプ、ウォールランプとともにデザインし翌年製品化され今日迄世界中で愛用されるランプです。ロイヤルホテルでは、あのエッグチェアやスワンチェアもヤコブセンによってデザインされています。
今、目の前にしているAJシリーズより古いランプですが、円と直線を直角と斜角で組み合わせたフォルム、上下に90度可動するランプシェード、全体を支える一本の支柱、オンオフの切り替えをするフットスィッチなど類似する部分が多く、まさしく北欧デザインのエッセンスが凝縮したランプです。
配線以外は全て金属(スチールや着付塗装)ですが、シェードを支える柄が木製・・・それも「自在鉤」式。自在駒とは囲炉裏や茶道で使用されるテコの原理で鉤(カギ)のこと。ここがなんとも味のあるディテールポイント、温かく愛嬌があります。
思い立ったが吉日、フロアライプの修復へ
数日間、事務所でそのままにしてありましたが、何処が故障しているのか?気になりはじめるとたまらなくなる・・・性(さが)ですね。『よし!故障箇所を見て出来るならばこの手で修復してあげよう』と思ったのです。
あくまでも修理・修繕ではなく、元通りの状態にする【修復】にこだわって、です。
思い立ったが、吉日。
仕事の合間にまずは分解から始めました。