疲労回復法/お風呂・温泉を使った疲労回復法

医学的に正しくお風呂で疲労回復をするコツ(2ページ目)

お風呂による温熱作用は、血管を拡張させ血流を増加させます。血流が増えると、全身に酸素や栄養分を運び、逆に不要となった二酸化炭素や老廃物を排出します。このことが疲労回復につながります。お風呂を上手に使って、これまで以上の疲労回復を目指してみてください。

早坂 信哉

執筆者:早坂 信哉

医師 / お風呂・温泉の医学ガイド

温熱作用を利用して、お風呂で疲労回復をするコツ

それでは、実際にはどのように入浴することが疲労回復に繋がるのでしょうか。

まず、一番大切なことは「湯船につかる」ことです。最近はシャワーだけで済ませてしまう人が多くなっているようですが、それでは体温が十分に上がらないことが分かっています。つまり、シャワーではお風呂の温熱作用による疲労回復効果は得られないということです。

湯船に入る時のポイントは3点です。1つ目はお湯の温度、2つ目はお湯につかる時間、3つ目はお湯の水位です。

疲労回復を目的とする場合、主に体温の上昇を意識しましょう。

疲労回復を目的とする場合、主に体温の上昇を意識しましょう。


疲労回復を目的とした場合、十分な体温の上昇を意識します。具体的に言うと約1℃の体温上昇を目指します。この体温上昇を達成するためには、1つの目安として温度は40℃、湯につかる時間は15分間、水位はお湯に肩までつかる全身浴です。体温が1℃上がると顔や額が汗ばんでくるので、これを目安としてもかまいません。

さらに、入浴後は素早くタオルで体を拭き、体が温まっているうちに毛布などにくるまって横になり、安静を保つことがポイントです。このことで体温が高い状態が保たれ、より温熱作用による疲労回復効果を享受することができます。この時、少し部屋を薄暗くして静寂を保つとリラックス効果もあります。このお風呂上りに毛布にくるまって安静にする時間は、なんとも言えない心地よさがありますので、ぜひ試してみてください。

ただし、心臓や呼吸器に病気のある人は入浴そのものが負担になることがあるので、主治医に確認するとよいでしょう。

お風呂を上手に使って、これまで以上に効果を実感できる疲労回復を目指してみてください。

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