夢の170キロへ近づくための大いなる挑戦
今季の大谷は、さらなる球速アップを目指し、ワインドアップに挑戦する。
カーブ5球、スライダー3球の変化球を交えての32球。20球目以降のストレートは、この時期にしては速過ぎる。「140キロは超えていたんじゃないですか」と球を受けた近藤は初めてのワインドアップ投法に目を丸くした。
プロ1年目は投球フォームを安定させるため、グラブを顔の前で止めるノーワインドアップを採用。2年目の昨季は、より制球を重視するために走者がいない場面でもセットポジションで投げ、チームトップの11勝をマークした。そして今季、花巻東高時代以来のワインドアップに再挑戦する。
大谷はその理由を「(打者からの)見え方やタイミングの違いです」と説明する。1メートル93の長身が大きく振りかぶれば、打者に威圧感を与えることは間違いない。また、足の上げ方次第でセットポジションよりタイミングをずらすことも可能だ。しかし、真意はその先にある。何より反動をつけることで体重がボールに乗りやすく、球速や球威が増す。
もちろん、制球をしづらいというリスクもあるが、あえて取り入れるのは、夢の170キロに少しでも近づくための大いなる挑戦と言っていい。
>>メジャーも太鼓判、プロ3年目の今季はとくに球速への期待が高まる。