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2015年首都圏新築マンション供給予測45,000戸は品薄?

消費増税の反動を受けつつも、新築マンション市場は総じて活況といえそうだ。気になるのは価格の上昇。鍵となる供給戸数についてまとめてみた。

坂根 康裕

執筆者:坂根 康裕

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2015年、マンションは買い時か

不動産経済研究所データをもとにMH3作成

不動産経済研究所データをもとにMH3作成

毎年1月は、年間を通じてマイホーム購入の意欲が高まる時期。もっとも昨今は、アベノミクスによる政策的な低金利や消費増税で需要を冷まさないための税制優遇が奏功し、市場は総じて活況を呈しているといえるだろう。12月度の初月契約率は好不調の目安である70%をわずかに下回った(69.9%)が、供給戸数が9,389戸と、前年比13.9%増であることを考慮すれば悪い数字ではない。

購入を検討している人にとって、最も気になるひとつは「価格動向」ではないか。2014年7月、これまでの最高値である平米単価で77.1万円を記録。リーマンショック直前(2008年7月)の当時高値水準同71.8万円と比べると相当上がっていることがわかる(「初月契約率と販売単価」グラフ参照)。もっとも立地によって平均値は上下するもの。現に2014年10月は同63.8万円に落ち着いてはいる。とはいえ、2014年年間平均同71.1万円は2年連続の上昇であり、この行方が気にならないという人はいないはずだ。

そこで今回は、1月というタイミングにあたり、供給戸数の観点から2015年を占ってみたい。

2014年は45,000戸に届かず

不動産経済研究所データをもとにMH3作成

不動産経済研究所データをもとにMH3作成

2014年、年初の段階では首都圏の新築マンションは56,000戸の供給予測が*発表されていた(*「不動産経済研究所」)。これは、アベノミクスと消費増税の駆け込み需要で沸いた2013年(56,478戸)と同等レベルであった。

しかし、4月以降(増税後)の反動で計画通りのペースで売り出しができないかったことや建築費高騰でプロジェクトの進捗に支障が出るなどし、上半期を締めた段階で下方修正を余儀なくされた。その数字は48,000戸~46,000戸である。1年を終え、結局年間では44,913戸。最終的には下方修正さえ下回り、45,000戸に届かなかった。

計画戸数は、市況いかんで振れるものの、1.2万戸近い減少は本来2、3年を見越してプランを立て実行に移す分譲事業としては珍しい。不動産相場は、原則需給の均衡である。金利や税制の後押し以前に、需要を満たさない供給数は、価格上昇につながっても何ら不思議ではない。

今年45,000戸は品薄!?

不動産経済研究所データをもとにMH3作成

不動産経済研究所データをもとにMH3作成

1987年以降の供給戸数推移(2番目のグラフ)をみると、1994年から十数年、8万戸レベルの大量供給が続いたが、リーマンショック後はそれ以前の水準(4万戸台)に落ち着いているのがわかる。このレベルを「100年に一度の不況でも深刻な在庫を出さなかった規模」と言い換えることはできないか。現にアベノミクスで沸いた2013年は5万戸後半に一気に膨れ上がった。マイホーム需要に加え、資産形成としても引き合いの強い新築マンションの適正な市場規模がそれとなく理解できそうなもの。

消費再増税は2015年10月から2017年4月に延期された。消費増税直前に駆け込み需要が起きることは2度の経験で学んだはず。では、2015年~2016年10月(経過措置の半年を考慮)がどのようなタイミングになるかを推測することは、さほど難解ではない。それに対して、2015年の供給予測は45,000戸。「潤沢な選択肢」と捉えることは残念ながらできないだろう。

需要と供給のバランスが崩れると価格に影響を及ぼすことは、中古市場に学ぶのがより正確に把握できる(マンションの坪単価<上がるところ>と<下がるところ>参照)。3番目のグラフは新築分譲の販売単価と供給戸数を比較してみたもの。立地次第で価格は異なるが、8万戸時代は簡単には上がらなかった値段は4万戸になるにしたがって、上昇圧力がかかってくるのが見て取れる。これに駆け込み需要が足されると…。当然、すべてのエリアが上がるわけではないだろう。結局、物件選びは個別に慎重に判断しなければならないことを稿の最後に付け加えておきたい。

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