暮らしのマナー/食事・テーブルマナー

「気まずい場面」での社交マナーとは……本には載っていないこと!

マナー本では教えてくれない社交マナーについてお話します。本に書かれていることは、身につけておきたい基本的なマナーであり、実際の生活では様々なことが起きてきます。ポイントを押さえていざというときのために備えておきましょう。

諏内 えみ

執筆者:諏内 えみ

暮らしのマナーガイド

マナー本では教えてくれない社交マナーとは

いざという時の社交マナーとは

いざという時の社交マナーとは

誰もが知りたいのに、マナー本にはなかなか載っていないこと、意外と多くありませんか? そこで、私のマナースクールの生徒さんからもよく出る質問をピックアップし、「気まずい場面」の切り抜け方を伝授させていただきます。日々の人間関係の中で遭遇するケースや、相手を傷つけない思いやりの心を大切にした言動をまとめてみました。
 
<目次>
 

名前を間違えて呼ばれた!

マナー本は、「こんなときどうする?」にはなかなか対応してくれません。

マナー本は、「こんなときどうする?」にはなかなか対応してくれません。

間違えやすい名前でなくとも、違う名前で呼ばれた経験は、誰しも少なからずあるはず。そんなとき、あなたはすぐに指摘する方ですか? それとも、相手に遠慮してそのままにしてしまいますか?

社交マナーの観点からは、お伝えするのが正解です。間違った名前を何度も呼んでしまった後で、誰かから指摘されたときの気まずさはおわかりのはず。後々本人が誤りに気づいたときのショックや恥ずかしさを考慮し、できるだけ早めにお伝えするのが相手の方への思いやりです。

但し、1度間違えただけで、すぐに訂正する必要はないかもしれません。その場だけの勘違いの可能性もありますので、1度はスルーし、再度間違えられたらお伝えするのが好ましいでしょう。その場合、「私〇〇ではなく△△なんです」と控えめに伝えたとしても、やはり相手は恐縮してしまいますね。そこで、「よく間違えられるんですよ」「覚えにくい名前で申し訳ありません」などとお伝えすれば、相手の方の気持ちも楽になるでしょう。
 

店員のサービスが悪かった!

店員のひと言で、せっかくの楽しい空気が冷めてしまうことも。

店員のひと言で、せっかくの楽しい空気が冷めてしまうことも。

ショッピングや食事を楽しんでいたのに、店員の横柄な態度や、心無いひと言によってなごやかなムードが壊され、せっかくの時間が台無しにされてしまった経験はありませんか? こんな時こそ、ご一緒の方に対する思いやりや気遣いが必要です。

不運にも、サービスや態度の悪いスタッフに当たってしまった場合、会話を他の話に切り替えてしまうのもひとつの手ですが、お互いに気まずい空気を引きずってしまうことになってしまいます。黙り込んでしまうのは一番避けたいこと。そこで、思い切って不満を上手く口にしてみてはいかがでしょうか。「教育が良くないわね」「責任者出せ、って言っちゃおうか」など、ジョークを交えながらあえて話題に出してみると、意外にもスッと切り替えができるもの。

これは、レストランでのお料理の味に関しても同様。人気のレストランや「おいしそうね」と期待して入ったお店だったのに、お料理の味にガッカリ。という経験も少なくないでしょう。相手の方が選んでくれたお店や、勧めてくれたお店でなければ、「ちょっと残念なお味ね」「あら、期待外れ。シェフに言っておくわ」と、不満を会話のネタとして楽しむのも大人の余裕ですね。
 

レストランで飲み物を倒してしまった!

同席の方がグラスを倒した! あなたの対応で明暗が分かれます。

同席の方がグラスを倒した! あなたの対応で明暗が分かれます。

もし同席の方がグラスを倒してしまい、テーブルや床に飲み物をこぼしてしまったら… 「大丈夫?!」と、先ずはすぐにおしぼりなどで拭く作業をする方が多いでしょう。ただ、これは極当たり前の言動。相手の方の気持ちを少しでも和らげ、安心させる気遣いとは?

お店の方に「もうひとつおしぼりいただけますか?」とお願いしたり、「すみません」と謝る言葉は、ぜひあなたが率先して伝えましょう。さらに、「私もこの間ワイングラスを倒しちゃったのよ」など、上手な嘘で相手をリラックスさせてあげてください。
 

付き合い始めた彼のテーブルマナーが悪い!

テーブルマナーや食べ方は、今後おつき合いしていく上で重要なポイントとなります。

テーブルマナーや食べ方は、今後お付き合いしていく上で重要なポイントとなります。

お箸をちゃんと持てない、肘をついて食べる、音をたてる、ナイフとフォークの使い方が間違っていたりすると、ちょっと引いてしまいませんか? 「どうしてもここが許せない」「これからずっとお付き合いをして一緒に食事していくにはちょっと…」という場合でも諦めないで下さい。彼の意識を変えさせ、上手に改善させる方法を考えてみましょう。

「その持ち方ってあり得ないでしょ」「ちょっと、肘つかないで。お行儀が悪いわね」「それって恥ずかしいんじゃない?」などの言い方では、彼のプライドも傷つき、いやなムードに。そんなときには、彼の気持ちに寄り添って上手にアドバイスするのが賢いやり方。「この間、テレビで言ってたんだけど、最近その持ち方をする人が多いんですって」「正しい〇〇の食べ方、って新聞に出てたのよ。それはね… 」など、第三者の意見として説明して伝えてみては? 彼に「へえ、教えて」と言わせることができれば成功です。

それでも指摘されたことを彼が気にしているようなら、「私の前だけならいいけど」という言葉をつけ加えフォローしてみてはいかがでしょう。あなたの優しさを嬉しく感じ、心をもっと開いてくれるかもしれません。


マナー本だけを頼ってしまうのではなく、TPOに合わせた臨機応変な社交マナーを身につけてくださいね。

【関連記事】
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます