統治の条文問題は、効率が良い暗記ができるかどうか

行政書士試験の憲法の択一は難しいですが、合格を狙うためには、人権で1問、統治で1問を正解にしたいところです。「人権判例、統治条文」と言われるように、統治は条文が中心に出題されますが、条文問題の暗記に苦しむ受講生も少なくありません。そこで、統治の条文問題を克服する方法をお話ししたいと思います。なお、この記事は憲法を一通り学んだ方を対象としています。

近年の統治の条文問題の分析

統治の条文問題について分析をします。まず、出題数です。試験を過去5年間さかのぼってみましょう(平成22年から26年まで)。

〔出題数〕
平成26年 1問
平成25年 1問
平成24年 2問
平成23年 出題されず
平成22年 出題されず

このように統治の条文問題は出題されない年度もありますが、他の国家試験の憲法とのバランス、そして直近3年の傾向を考えると、今後、最低1問は出題されると思います。

〔出題内容と詳細〕
平成26年 内閣(問題6):内閣の手続きの流れを中心に出題
平成25年 議員の権能(問題6):議員の権能と国会の権能との比較
平成24年 国務大臣と国会議員(問題4):国務大臣と国会議員の比較
平成24年 財政(問題5):財政全般の条文から広く出題

行政書士,憲法,統治,基本,条文

比較問題は法律系国家試験でよく出題されます。行政書士試験も例外ではありません。

このように条文問題は「比較」の視点がよく出題されています。

最後に、ひっかけを選択肢ごとに見ていきたいと思います。ひっかけるとは、誤りの選択肢をどう作成しているかということです。比較問題は主語の入れ替え(平成24年問題4の3~5、平成25年問題6のウなど)が中心で、手続きを問う問題は要件の一部を欠落(平成24年問題4の2)させています。また、憲法ではなく「法律」の知識をひっかけに利用してもいます(平成24年問題5の1、平成25年問題6のア)。

なお、上記でご紹介した本試験問題は、財団法人行政書士試験研究センターにて掲載されております。

以上から、統治の条文問題の分析のポイントをまとめます。
・出題数は1問前後
・出題内容は比較が多い
・ひっかけは主語の入れ替えが多い

ここはしっかりと押さえる!暗記の範囲

1問という出題数を考えると、多くの時間を条文の暗記に割くわけにはいきません。暗記する範囲を絞る必要があります。

2回ほどは出題されていますが、ひっかけとして用いられる「法律」の知識は不要です。例えば、国会法、内閣法、裁判所法などは、分量が多く暗記量を増やすだけなので、過去問で出題された範囲だけ押さえれば十分です。

また、手続きを問う問題はひっかけをつくりやすいことから、出題者は問題を作成しやすいので、国会の議決手続き(59条、60~61条、67条)、内閣不信任決議後の手続き(69~71条)の基本的な手続きをしっかりと押さましょう。

メインの比較の問題も基本的なものを押さえましょう。具体的に言えば、国会と議院の権能、国会と内閣の権能、内閣と内閣総理大臣の権能、天皇と内閣の権能、最高裁判所(裁判官)と下級裁判所(裁判官)の比較です。これらは国家試験の頻出事項であり、しっかりと暗記しましょう。

次のページでは暗記のポイントについてご説明いたします。