行政書士試験/行政書士のキャリア・開業

資格取得後の独立体験記 第13回「偏見と戦う道」

行政書士を開業して4年目くらいを迎えると、依頼も増えて様々な人々に出会うことになります。この頃、悩まされたのが行政書士への偏見です。

山本 直哉

執筆者:山本 直哉

行政書士ガイド

はじめに

行政書士を開業して4年目くらいを迎えると、依頼も増えて様々な人々に出会うことになります。この頃、悩まされたのが行政書士への偏見です。

「行政書士なんかに頼んじゃ駄目だ」

依頼者と共に、手続きのために、あるメガバンクの支店に行ったときのことです。手続きの申し込みをすると、その支店の支店長の次くらいの地位の人が出てきました。

私は挨拶をして、名刺を渡しました。すると、その名刺を見るなり、
「行政書士なんかに頼んじゃ駄目だ、弁護士か、税理士にしなきゃ」
と、吐き捨てるように言って、名刺を机に放ったのです。

私はその光景に唖然としてしまいました。「紛争案件ならば関与できないので主張は正しいが、本件は紛争案件ではない。契約書作成に付随した手続きにすぎない。もちろん、合法な仕事だ。それに、税理士は紛争に関与できない。ということは、単に行政書士だから駄目だと言っているにすぎない」そんなことが瞬間的に頭に浮かびます。

行政書士開業,独立

今話題のバンカーですが、名刺くらいは受け取って欲しいです

突然、隣にいた依頼者の方が激怒して、その銀行員を叱りつけます。周りの注目が集まります。しかし、銀行員が謝ることはありませんでした。機嫌を悪くした銀行員が、私が作成した書類や添付書類をチェックします。こんなにバツの悪い事務手続きはありません。

結局、不備はなく手続きは完了しました。「私は、弁護士や税理士ではなくて、行政書士ですが、不備はありましたか」というような捨てゼリフを吐くつもりはなく、ただ、依頼者の方にそのような気を使って頂いたことに恐縮しきりでした。

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