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5問中2問の得点を目指す!「憲法(統治)」の基本(2ページ目)

難問奇問が多い行政書士試験の憲法で得点するには、「人権」の基本的な判例問題と「統治」の条文問題が狙い目です。今回は、統治の条文問題について、過去問を分析してその対策方法を解説します。【科目対策:憲法のポイント(統治編)】

山本 直哉

執筆者:山本 直哉

行政書士ガイド


出題内容によって変わる暗記のポイント

条文を暗記できない原因はイメージがわかないことなので、その対処法を出題内容にそってご紹介いたします。

【手続きを問う問題】
手続きについて、テキストに図表がある場合はそれを頭に入れてください。図表がない場合は手続きの「流れ」を押さえてください。図表や流れから手続きをイメージすると、条文は暗記しやすくなります。まれに、図表は覚えているけど、文章で表されると解けないという方がいらっしゃいます。出題は文章でされるので、しっかりと図表と条文の言葉をつなぎ合わせてください。

【比較の問題】
比較について、テキストに図表があるとしても、条文の羅列なので、イメージがわきません。視点を変えて、なぜ比較の問題を出題されるのか理由を考えてみます。

例えば、国会と議院の比較について、平成25年問題6のウで、弾劾裁判所の設置は議院の権能かという出題がされました。

弾劾裁判所の設置は、立法権(国会)と司法権(裁判所)の関係について、三権分立による抑制・均衡という観点から創設された制度です。よって、国会の権能であり、国会を構成する組織である議院の権能ではありません。出題者はこの問題を通じて三権分立という憲法の基本原理の理解を問うているのです。

憲法の基本原理をすべて説明するのは紙面上不可能ですが、三権分立(自由主義)、国民主権(民主主義)、司法権の独立(裁判官の独立)、議院内閣制があげられます。条文とこれらの基本原理がどう結びついているか、「考えて」ください。

「考える」ことは、丸暗記に比べると時間がかかり非効率のように思えますが、記憶の印象が残り、繰り返す回数も少なくて済み、得点できる確率もあがります。遠回りのようで合格には近道なのです。

暗記を確実に得点へつなげるために

条文の理解が進んだら、試験委員がどのようなひっかけをするかを考えて、条文を音読してください。例えば、比較の問題ならば、免責特権は国会議員の特権だから、国務大臣とひっかけてくるだろうなど考えられたら完璧です。

5問中2問の得点をするために

今回ご紹介したのは、憲法統治の条文問題の「基本」です。細かいことを言えば、他にも出題される範囲や出題方法もあります。しかし、出題頻度や勉強効率を考えると、基本をしっかりと押さえることが大切です。その上で細かい条文を押さえるべきだと思います。

なお、人権については、5問中2問の得点を目指す!「憲法(統治)」の基本をご覧ください。

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