より良い音を追求できる「ポータブルヘッドホンアンプ」
ヘッドホンブームにハイレゾ人気が加わり、ヘッドホンでより良い音を求める人が急増中。そんな先進ユーザーが、次に注目しているのが「ポータブルヘッドホンアンプ」、通称「ポタアン」(以下ポタアン)です。ポタアンとは、一般的にバッテリーを内蔵し、小型で持ち運びが可能なヘッドホン(イヤホン)専用のアンプを指します。
元来、携帯型音楽プレーヤーやスマートフォンなどには、ヘッドホン端子が備わっていて、ヘッドホンを挿入すれば音を聴く事ができます。しかし、これらの携帯型機器は、音質よりもコンパクトさや省電力性能が優先されているのが実情です。
携帯機器に付属のイヤホンで聴いている限りは不満のない音質でも、ユーザーが拘りを持って選んだ音質重視のヘッドホンを接続すると、その音質性能を充分に引き出せない、言い換えると、「鳴らしきれない」感は否めません。
特に海外製大型ヘッドホンの中には、沢山の電力を必要とする製品(インピーダンスが300Ωなどと大きいもの)もあり、充分な音量を得る為にヘッドホンアンプが必要になる場合もあります。
そこで注目され始めたのがポタアン。プレーヤーとは別に購入して持ち運ぶ手間も掛かりますが、コアな音楽ファンやオーディオファンに支持され、今では製品数も増えています。
ポタアンと一口にいっても、製品毎に違いがあります。ここでは、トレンドとしてポタアンの代表的な機能と、人気製品から特にオススメのモデルをご紹介します。製品選びのご参考に!
機能と選び方(1)接続する方式を選ぶ
音楽プレーヤーによって、音楽を出力する方式が異なります。組み合わせるプレーヤーに最適な入力インターフェイスを持つポタアンを選ぶのが基本です。- アナログステレオ
「アナログステレオ」は、オーディオ接続の基本です。携帯型音楽プレーヤーは例外無く、ヘッドホン端子(アナログステレオ/ミニジャック)を備えています。ポタアンも、殆どの製品がアナログステレオ入力端子を持っています。
「アナログステレオ」のメリットは、どんな機器も組み合わせることができる汎用性の高さと言えます。デメリットは、音楽プレーヤー内でアナログに変換してアンプで増幅された音声信号を利用するため、ポタアンを使っても、音質向上はあまり期待できない点です。
しかし、比較的安価で、電力を沢山必要とする大型ヘッドホンもしっかり駆動出来る点で、利用価値があります。
- USB(デジタル)
ポタアンが、携帯音楽プレーヤーやパソコンからのデジタル音声信号を受け取る入力インターフェイスには、いくつかの方法が考えられますが、最もメジャーなのがUSBです。USB接続なら、CDよりも高音質と人気のハイレゾも伝送でき、また、音質を大きく左右するデジタル信号からアナログ音声への変換も、ポタアン側で行うので、高品位な製品を選べば、より高音質が期待できます。
今、ポタアンを選ぶなら、USB入力に対応した製品から選ぶのがおすすめです。
但し、一口にUSB接続と言っても、パソコン専用、Android端末用やiPod/iPhone/iPad(Lightningケーブル使用)用、ソニーのウォークマン対応など、製品によって接続できる機器に違いがあるので注意が必要です。
【ガイド鴻池のオススメ製品 その1】
オンキヨーの「DAC-HA200」は、Android端末、iOS端末(iPod/iPhone/iPad)、PCとの接続に対応した高品位モデル。専用のプレーヤーアプリ「HF Player」を使用すれば、iOS端末でも96kHz/24bitのハイレゾ再生も可能です。
【ガイド鴻池のオススメ製品 その2】
ソニーの「PHA-2」は、ウォークマンのデジタル接続に対応。ほか、iOS端末(iPod/iPhone/iPad)やPCも接続可能など、幅広いソースへの対応が魅力です。