専門学校の進学を検討する上で重要なポイントの一つは、カリキュラムと切っても切れない関係にある【資格取得】について知ることです。専門学校を卒業するだけで得られる資格もあれば、受験資格だけが与えられる資格もあります。目指す資格やカリキュラムに組み込まれている資格対策セミナーなどは学校間でも違いがあります。そのような専門学校進学を考える際に押さえておきたい資格についての要点をお伝えします。

では専門学校などの認可された指定養成施設で取得できる資格はどういったものがあるのでしょうか。

専門学校で取得できる資格の種類

専門学校へ進学し、卒業するまでに得られる資格については、次のような5つのタイプに分けることができます。(※知名度、人気度の高い具体的な資格をいくつか列挙してありますが、全ての資格について網羅している訳でありません。)

1.卒業と同時に無試験で得られるもの
■工業分野
電気工事士、測量士補
■衛生分野
調理師、栄養士
■教育社会福祉分野
幼稚園教諭2種、保育士、介護福祉士

2.卒業と同時に受験資格が得られるもの
■工業分野
建築士(2級木造)、自動車整備士、航空整備士(2等)
■医療分野
看護師、歯科衛生士、歯科技工士、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、義肢装具士、鍼師、灸師、あんま・マッサージ指圧師、柔道整復師
■衛生分野
製菓衛生師、理容師、美容師
■商業実務分野
税理士、社会保険労務士

3.卒業+実務経験で得られるもの
■工業分野
測量士、電気主任技術者(2種、3種)

4.卒業+実務経験により受験資格が得られるもの
■工業分野
建築士(1級)、インテリアプランナー
■衛生分野
管理栄養士
■教育社会福祉分野
社会福祉士

5.資格試験、検定試験のための教育が受けられるもの
■工業分野
総合無線通信士、家電製品エンジニア、情報処理技術者、危険物取扱者、宅地建物取引主任者
■教育社会福祉分野
スポーツプログラマー
■商業実務分野
公認会計士、税理士、司法書士、行政書士、秘書能力検定、販売士、総合・国内旅行業務取扱管理者、簿記検定(日商)、簿記能力検定(全経)、医療事務技能審査試験、診療報酬請求事務能力認定試験、ビジネス能力検定
■服飾分野
ファッションビジネス能力検定、パターンメイキング技術検定
■文化教養分野
通訳案内士、インテリアコーディネーター、カラーコーディネーター検定、色彩士検定

国家資格VS民間資格の有利・不利

どちらが有利で、どちらが不利かといったものはありませんが、それぞれの特徴は知っておいた方が専門学校を卒業した後のキャリアプランに役立ちます。

国家資格とは、国がその業務に就く上で必要な知識、技術を法律により定めているものです。一般的には、生活に密着した衣食住に関する資格が多くあります。その中でも、人の命に関わるような医療分野の資格は、難易度や受験倍率が高いため狭き門となっています。

一方、民間資格は主管団体により試験の難易度や社会的な重要性も異なります。また、専門学校のような技能養成機関で学んでいるかどうかは必須事項ではないケースがほとんどです。その中でも、有用性が高い資格として、アップルやマイクロソフト、オラクル、シスコといったIT関連の企業が独自に行っているベンダー資格と呼ばれているものがあります。特徴としては、日進月歩で進む業界であるために更新制度が設けられて、常に新たな知識や技能を修得していく必要があります。専門学校でもカリキュラムの中で対策講座を開き、在学中に資格取得を目指しているコースが多く見受けられます。

講義風景

同じ夢を抱く友であり、ライバルです。

専門学校を卒業すると同時に得られる資格においてはその限りではありませんが、受験がある資格については卒業生が無料で受講できる試験対策セミナーを行っている学校もありますので卒業後のフォロー体制もチェックしておくと良いでしょう。

また、受験資格の制限がない国家資格である【ITパスポート】や高卒でも受験できる【公務員試験】の無料対策講座を高校生を対象に、入学の義務を設けずに開催している専門学校もあります。

どの専門学校の学校案内を見ても、体験入学に参加しても、その仕事に就くためにはどのような資格が必要とされるか、またその資格を取得するためにどういったカリキュラムが用意されているか、という説明がありますので必ず確認しましょう。

学校を選ぶときは資格の数より質

“これだけたくさんの資格取得を目指します!”を謳い文句にしている専門学校は少なくありません。
確かに、学歴ではなく、取得している資格を採用のポイントにしている企業も増えている傾向にありますが、その職種における業務を遂行する上での必要性が低いのであれば当然のことながら、好評価にはつながりません。また、業界経験者や転職を考えている人がスキルアップ、キャリアアップを図るために有用であっても新卒者にはそうではない資格もあります。

ただ単に、数多くの資格が取れるという“量”に目を奪われるのではなく、その仕事でどれだけ適格なものなのかという“質”を見極める目を持たなくてはいけません。

数字のマジックに惑わされない学校選択のポイント

さらに学校選択を検討する際に見落としがちなるのが、受験が科せられている資格においての【合格率】です。各学校がアピールする合格率が高いか低いかを判断するには、どの資格においても主管する○○協会などの運営団体がありますので、そちらのホームページで公表されている数字を確認しましょう。まれに、受験できる学生を限定して、受験者数を押さえることにより合格率を上げている学校もありますので、もともとの分母にあたるべき卒業者数とも比較してみましょう。

このように、学校選びのポイントは学校の施設・環境のハード面と教員の質、学生の雰囲気といったソフト面に併せて教育内容を数的視点で捉えることです。