野球への好奇心も旺盛なカリスマ経営者
新オーナーの南場氏は、野球への好奇心も旺盛だ。
2012年シーズンからオーナーを務めてきた春田真氏(46)が6月に本社の会長職から退く予定で、シーズン中のオーナー交代を避けるためにこの日の臨時株主総会で新オーナーの就任が決まった。
南場オーナーは1999年3月、36歳でDeNA本社を起業し、2005年の上場後、携帯電話向けのゲームサイト“モバゲータウン”が大ヒットするなど、7期連続で増収増益と経営手腕を発揮。売上高で年間2000億円を超える企業に育て上げた。
このカリスマ経営者は、野球への好奇心も旺盛だ。小さい頃は枝豆を食べながら、大ファンである王貞治(ソフトバンク球団会長)や長嶋茂雄(巨人終身名誉監督)をテレビで応援していた。ストレス発散のため、バッティングセンターにもよく行くし、変化球の球種にも興味がある。横浜スタジアムにも当然にごとく足しげく通っている。
球界参入が承認された2011年12月のことだった。横浜スタジアムを視察した際、トイレに入った南場オーナーは、すぐさま老朽化による改善を強く進言した。「男性より女性ファンの気持ちはわかる。トイレがきれいというのは、女性は敏感ですから。女性がもっと足を運んでもらえるような球場にしたい」。それ以降、有名ブランドと連携してバッグなどを発売し、女性ファンの獲得に力を入れ、昨年6月末時点でファンクラブの女性会員数が新球団1年目の2012年から約4.3倍まで増えた。
昨季の観客動員数は前年比9.7%増の156万4528人で、TBSホールディングスから球団買収前の約30億円の赤字から15億円以上圧縮したが、多くの女性ファンが貢献したのは言うまでもない。「まだまだお客さんを増やすことができるし、黒字化も目指したい」と南場オーナーはビジネスチャンスを広げていくことに自信ものぞかせた。
>>メジャーでは過去にも数多くの女性経営者が活躍