企業経営のノウハウ

社内活性化!インターナルコミュニケーションの極意(2ページ目)

社内活性化。組織運営をする者にとって、優先順位の高い組織課題でしょう。しかし社内活性化を実現しようと言われても、この言葉では漠然としすぎており、具体的に何から手を付けていけばいいのか判然としません。今回は、社内活性化を実現するためのIC(インターナルコミュニケーション)をさまざまな要素に分解して解説をしてみます。社内活性化は因数分解をしていくのが現実的であり、効果的なのです。

豊田 健一

執筆者:豊田 健一

総務人事・社内コミュニケーションガイド

部門間コミュニケーションへのきっかけ作り

他部門とのコミュニケーションは、業務を通じてなされるもの以外は、よっぽど意識しないと通常は成されません。同期社員の間では、廊下ですれ違えば話をするかもしれませんが、メンバーが他部門の部長と話すような、いわゆるナナメの関係においては、しかるべき部署がそのような場を設定しない限り、コミュニケーションをとることはまれでしょう。

しかし、そのような関係にこそ、イノベーションの可能性が潜んでいます。自分だけ、自部門だけのリソースでは限界がある現在、多くの部署と関係を持ち、通常では想定しえない組合せでさまざまなチャレンジが必要なはずです。もっと言えば、社内にとどまらず、社外との接点も持つべきでしょう。

ひところ寮が相次いで復活したのも、そのような意味合いからでした。通常業務の中ではコミュニケーションを取ることのない関係が成立するからです。最近では社内シェアハウスを用意した会社もあります。

手軽なところでは食事会があります。仲の良い者同士ではなく、事務局が普段コミュニケーションを取ることのない社員同士の組合せで招集し、食事を用意してコミュニケーションをさせる取り組みです。このようなことでもしない限り、なかなか他部門とのコミュニケーションは成立しません。

このような仕掛けをさまざまな組み合わせですることにより、社内人脈が構築され、いざ仕事で困った時は相談できる相手ができるというメリットがあり、そこからイノベーションや部門間コラボレーションに繋がっていきます。

経営トップと現場、間接的なコミュニケーションを仕掛ける

経営トップと現場とのコミュニケーション。これが最もハードルが高いものです。直接的なコミュニケーションは車座とか、タウンホールミーティングと言って、経営トップが現場に出向き直接コミュニケーションをする仕掛けがあります。これもしかるべき事務局が意識的に仕掛けていかないと成立しません。

経営トップと社員が会話している様子

経営トップと現場。社内メディアを活用する

このような直接的なものもさることながら、この関係でのコミュニケーションの目的とは、経営トップが何を考えているかを現場社員が理解することであったり、現場が実際どのような思いで仕事をしているのか、あるいは現場の課題を中間管理職のバイアスを掛けない生の状態で経営トップに届けることです。当然直接コミユニケーションをすることで、それらの目的は達成できますが、企業規模にもよりますが、なかなか全員の社員と経営トップがコミュニケーションをすることは難しいでしょう。

ですから、この関係でのコミュニケーションは社内報等の社内コミュニケーションメディアで実現させることが現実的です。間接的にお互いのことを知りあうきっかけを提供するのです。その際大切なことは、経営トップがどれだけ現場社員目線で書けるか、語れるか、という点です。

ですので、多くの企業では社長座談会や社員との対談を仕掛けるのです。経営トップがご自分で原稿を書いてしまうと、どうしてもトップ目線となってしまいます。そこで、実際に社員を目の前にした座談会や対談にすることで、社員目線に降りてもらうのです。総論は分かるが、具体的に現場ではどのように動けばよいのか。そのイメージができるように、ご自身の経験や、ご自身だったらどのように行動するか、現場目線で語ってもらうのです。

社内活性化。以上のように、実際にどのような関係においてコミュニケーションを活性化させたいのかを具体的にイメージし、それが実現できるためには、どのような仕掛けが必要かを考える、これがインターナルコミュニケーションのポイントとなるのです。
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