「性格の不一致」といえば、ひと頃、芸能人やスポーツ選手、文化人などの有名人がワイドショーのリポーターにマイクを突きつけられたとき口にする離婚原因の定番でした。

すっかり有名になったこのフレーズは一般にも広まり、やがて市民権を得ました。しかし、スポーツ紙やワイドショーの続報を見聞きすると、その多くは「性格」の不一致ではなく「性」の不一致であるカップルが多いことが分かります。性格の不一致が性の不一致の隠れ蓑として使われる場合もあったということです。

変態的な行為を求められた、尋常でない回数を求められた、その気でないのに無理強いされた――など、不一致の内容はさまざまです。しかし、突き詰めて考えると、性の不一致は「性欲」の不一致に端を発しているのではないでしょうか。今回はこの点に照準を定めてみたいと思います。

10年で倍増した中高年のセックスレス

性欲は性行為を営むのに欠かせない、人間の根源的な欲求の一つです。性欲があるからこそ、男女とも相手を求め、セックスをし、その結果として子孫を増やします。無論、快楽のためのセックスもあるでしょう。
ところがこのところ、性欲の不一致による「セックスレス」が問題になっているようです。

日本性科学会ではセックスレスの定義を「特殊な事情が認められないにもかかわらず、カップルの合意した性交、あるいはセクシャル・コンタクトが1カ月以上なく、その後も同じ状態が長期にわたることが予想される場合」と定めています。

「特殊な事情」とは、単身赴任などで物理的に離れていたり、パートナーが病気をしていたりする場合です。また、セクシャル・コンタクトとは、ぺッティング、オーラルセックス、裸での同衾などを指します。

日本性科学会の「セクシュアリティ研究会」がパートナーのいる関東在住の40~70代の男女1000人以上を対象に行った「中高年セクシュアリティ調査」(2012年)によると「配偶者と1年間まったく性交渉がない」とする既婚者は驚くことに、

・2000年=男性25%、女性23%
・2012年=男性52%、女性54%

と、男女とも10年余りで倍増しています。

また「性交渉を伴う愛情関係」を望む既婚者で月1回以上実現しているのは、

・2000年=男性78%、女性79%
・2012年=男性44%、女性68%

と、いずれも減少しています。

それを裏付けるように、男女ともにマスターベーションが倍増し「配偶者に求めても満たされない人」が男性側で増えているそうです。

既婚者の4割が1カ月以上「ごぶさた」

男性は「仕事の疲れ」、女性は「面倒くささ」がセックスから遠ざかる理由のトップ

男性は「仕事の疲れ」、女性は「面倒くささ」がセックスから遠ざかる理由のトップ

同様の傾向は、一般社団法人日本家族計画協会が全国の16~49歳を対象に行った「男女の生活と意識に関する調査」(2012年)でも浮き彫りになっています。
同調査では、結婚している男女の41.3%が1カ月以上セックスをしていないことが明らかになりました。

婚姻関係にある人がセックスに対して積極的になれない理由を尋ねたところ、

<男性>
・仕事で疲れている=28.2%
・出産後なんとなく=17.9%
・面倒くさい=12.0%

<女性>
・面倒くさい=23.5%
・出産後なんとなく=20.5%
・仕事で疲れている=19.3%

という結果が出てきました。

婚姻関係にある者でのセックスレス群と、セックスレスでない群とを比較すると、結婚の意義として「性的な充足が得られる」との利点を挙げた割合は、

・セックスレス群=28.6%
・セックスレスでない群=56.3%

「セックスに関心があるか」に「ある」と回答した割合は、

・セックスレス群=50.2%
・セックスレスでない群=74.1%

「異性と関わること」に「面倒だ」と回答した割合は、

・セックスレス群=43.8%
・セックスレスでない群=28.73%

となっています。

こうした結果の出る背景には男女関係の希薄化や若年男性の「草食化」が深く関わっているようです。

合意した性交でなければセックスレス?

紹介した2つの調査を重ね合わせると、セックスレスとは単純に性交回数だけでは判断できないことが分かります。例えば、1カ月に何回もセックスしているカップルがいて、男性は満足していても、女性が「できればしたくない」「無理やり応じている」という状態であれば、定義の中にある「合意した性交」とはいえないからです。この点でも、性欲の不一致がセックスレスの引き金になっていることがうかがえます。

中高年の場合、セックスの目的は自ずと生殖から快楽の追求に向かいます。快楽の追求という表現が直接的であるなら「パートナーとのよりよい関係を育む肉体的な愛情表現」と言い換えても良いでしょう。だからこそ、互いの性欲レベルを整えることが大切です。

高まった性欲をサポートするED治療薬

健康な高齢者は性的にもアクティブであるという調査報告も

健康な高齢者は性的にもアクティブであるという調査報告も

しかし、男女ともに十分な性欲があってもED(勃起不全)によって肉体的なコミュニケーションを妨げられることがあります。そのことが原因で、セックスレスの方向に進むのは決して望ましいことではありません。

肉体的なコミュニケーションを試みていて心ならずも中折れ状態となったようなとき、それを再び奮い立たせる手助けするのがシアリス、バイアグラ、レビトラなどのED治療薬です。これらはED治療の第一選択とされていますから、安心して服用することができます。

健康な高齢者は性的にもアクティブであるという調査報告もあります。実際、ガイドのクリニックには80代の患者さんも来院されますが、ED治療薬を処方した後の足取りは心なしかはずんで見えます。ED治療薬を飲んで性欲が高まることはありません。しかし、高まった性欲をサポートする力は確かです。

>>EDは離婚の理由になってしまうのか
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