出会いは50年前
79歳の蜷川氏と83歳のジャニーさんが語る
この番組が収録されたのは2014年の9月。当時帝国劇場で上演中だったジャニー喜多川氏演出の舞台『ドリームボーイズ』(Kis-My-Ft2 玉森裕太さん主演)終演後に劇場内での対談が実現。実際に顔を合わせるのは3,4年振りだというお二人からどんな話が飛び出したのでしょうか。■ジャニー喜多川氏が所属タレントを「You」と呼ぶ理由
バラエティ番組などでもお馴染みの「ユー」という呼称。蜷川さんがこれに対して質問すると、ジャニーさんから返ってきた言葉は「アメリカでは相手をYouと呼ぶのは普通の事」「タレントの名前を覚えられない時に便利」という2つの理由。「いやー タレントの名前を全部覚えるのは正直無理。僕の悪い所なんだけどね」とジャニーさんがお茶目なトーンで語ります。
■主役の選び方
「舞台の主役はどうやって選んでいるか?」という蜷川さんからの問いに対してジャニーさんの答えは以下。
「こちらから掬っていく。バックで踊っているのを見たら大体分かります。色々な子がいますね。鈍感な子もいるけどそれはそれで面白い。」
お二人の交流は50年にも及ぶそうですが、最初にジャニーズ事務所のタレントが蜷川幸雄演出作品に参加したのは1989年(オンエアでは約20年前と語られていました)。当時「男闘呼組」所属の岡本健一さんが、日生劇場で上演された『唐版・滝の白糸』に出演したのが始まりだそう。
その頃からジャニーさんに対して「誰か若くて良い俳優を紹介して欲しい」と蜷川さんサイドより度々要請があり、同じく1989年にSMAPの木村拓哉さんが『盲導犬』に出演。この後、ジャニーズ事務所の多くのメンバー達が蜷川演出作品の舞台に立つことになります。ちなみに、『盲導犬』のキャストを選ぶ面接には木村さんと共に中居正広さんも参加し、残念ながら落選という結果になったとか。
■タレント、俳優を育てるという事
蜷川さんが次に挙げたジャニーズのメンバー名は森田剛さん。「ジャニーズ事務所は懐が深い。森田君みたいなちょっと変わった子もいるし」これに対するジャニーさんの答えは「ああ、顔で選ばないからね」。一瞬「ちょ……!」とツッコみたくなりますが、蜷川さんが森田剛さんの事を高く評価しているのは演劇界では有名な話。「変なひげで……野ネズミみたいで」と語る蜷川さんに「あー とうとう言っちゃった」と楽しそうに返すジャニーさん。
そして話はジャニーさんの生い立ちやジャニーズ事務所の変遷、ジャニーさんがどうも気に入らないらしい”今時の子は皆同じ髪型”トークを経て、「俳優・タレント育成の肝」に入っていきます。
⇒ 次のページに続きます。