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広島へ復帰した黒田の“男気”に満ちたエピソードとは(2ページ目)

黒田博樹投手が、古巣である広島への復帰を決めた。しかしその契約には、アメリカ人には理解しがたい“男気”が満ち溢れていたのだ。

瀬戸口 仁

執筆者:瀬戸口 仁

野球・メジャーリーグガイド

メジャー時代も“男気”に満ちていた黒田博樹

広島としては球団史上最高条件だが、パドレスの約5分の1であり、約17億円を捨てての8年ぶりの古巣復帰に、ビジネスライクのアメリカ人は驚くばかり。黒田は次のようにコメントした。

「来季については、野球人として、たくさんの期間を熟考に費やしました。悩み抜いた末、野球人生の最後の決断として、プロ野球人生をスタートさせたカープで、もう一度プレーさせていただくことを決めました。今後も、また日々新たなチャレンジをしていきたいと思います」

お金ではないのだ。自分を育ててくれた広島への恩義。2007年オフにFA権を行使してドジャース入りした際に、快く背中を押してくれた広島への感謝。いつも支えてくれたファンの熱い思いに、野球人生の最後は応えなければならない。これこそ“男気”以外の何ものでもないだろう。

“男気”といえば、過去にはこんなことがあった。ドジャース時代の2009年8月15日、ダイヤモンドバックス戦に先発した黒田は、5回まで2安打無失点と好投していたが、六回に代打ライアルの打球をライナーで頭部に受け、病院に緊急搬送され入院した。数日後、ライアンから「あなたにケガをさせてまで、私はメジャーで野球をやろうとは思っていない」と自分を責める謝罪の手紙を受け取った。これに対し黒田は関係者を通じて「僕が野球をやめたとき、彼にボールを当てられたと胸を張れる選手になってほしい」とコメントを送り、相手を思いやっている。

こんなこともあった。ヤンキース移籍2年目の2013年4月3日、本拠地でのレッドソックス戦の二回、ビクトリーノの打球はセンターへ抜ける強烈なライナーだったが、その打球に黒田は利き腕である右手を出し、中指を打撲、降板した。「ピッチャーとしては(手を出してケガをするのは)ダメなんですけど、あそこで(ヒットを防ぐために)手を出さなかったら僕ではないですね」。チームに勝利をもたらすためには、自分がケガをしても構わない。黒田はそういう男なのだ

広島は1991年を最後にリーグ優勝から遠ざかり、ながらく低迷していたが、2013年から2年連続で3位と明らかに上げ潮ムード。エースの前田健太もメジャー移籍を封印し、黒田との両輪は他球団の脅威となる。“カープ女子”に加え、男気・黒田の復帰で“カープ男子”の急増も間違いなく、24年ぶりの優勝へのお膳立てが整ったといえるだろう。
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