スキューバダイビング/知っておきたいダイビングのマナー

スキューバダイビング中のトイレはどうする?水中などでの対処方法

スキューバダイビングでよく聞かれるのが、「ダイビング中にトイレに行きたくなったらどうするの?」。特に冬の時期は気温・水温ともに下がるため、体が冷えやすく、トイレが近くなるものです。ウェットスーツを着たまま、水中でしてもいいのでしょうか?

鴫谷 隆

執筆者:鴫谷 隆

海洋環境問題・スキューバダイビングガイド

スキューバダイビング中はトイレが近くなる?水中などでの対処方法

ダイバーにとって意外と切実なトイレの問題。その予防法と対処法

スキューバダイビングを楽しむ際の疑問としてよく聞かれるのが、「ダイビング中にトイレに行きたくなったらどうするの?」。特に冬の時期は気温・水温ともに下がるため、体が冷えやすく、トイレが近くなりがちです。今回は、その予防法と対処法について説明します。
 
<目次>
   

ダイビング中のトイレ:ウエットスーツの場合

ダイビング中にトイレに行きたくなった場合、我慢して潜り続けることはストレスになり、ダイビングが楽しめないだけでなく、注意力が散漫になるなどしてトラブルにもつながりかねません。ガイドやバディに伝えて、ダイビングを切り上げるのがベストですが、ウエットスーツの場合は、どうしても我慢できなくなってしまったら、水中でそのまましてしまうのも手です(流れの下手で、グループから離れた場所でしましょう)。

とはいえ、ウエットスーツの素材によっては臭いがつきやすいものもあるので、首や腕の隙間から水を入れ替えるなどして、なるべくスーツ内に留めておかないようにすることがおすすめ。また、ダイビング後はウエットスーツ用のシャンプーを使用するなどして、きれいにしておきましょう。

なお、自分のウエットスーツであれば自己責任なのでいいのですが、レンタルのウエットスーツの場合は、水中で用を足すのはなんとしてでも避けたいところ。それでもどうしても我慢できなかったときは、スーツを返却する際にきちんとお店に伝えるのがマナーです。
 

ダイビング中のトイレ:ドライスーツの場合

首や手首でシールされ、体が濡れないようになっているドライスーツの場合、ウエットスーツのように水中でそのまましてしまうというわけにはいきません(大惨事です)。ガイドやバディに伝えて、すぐにダイビングを中止し、トイレに向かいましょう。どうしても心配な人は、大人用のおむつを着用して潜るという方法もあります。また、一般のレクリエーションダイビングよりも長時間潜るテクニカルダイバーの中には、ドライスーツに「Pバルブ」と呼ばれるバルブを取り付け、水中でも用が足せるようにしている人もいます。
 

ダイビング前のトイレ対策・準備が大切!

せっかくのダイビングを充分に楽しむために、潜る前にしっかりとトイレ対策をしておきましょう。特に注意しておきたいのが以下の3点です。

・トイレに行くのは、海に入る直前に!
ダイビング前にトイレに行っておくことはもちろんですが、大切なのはそのタイミング。せっかくトイレに行っても、その後でブリーフィングや器材のセッティングなどに時間がかかると、ダイビング中にトイレに行きたくなりがちです。すべての準備を整え、あとはスーツを着るだけという状態になってからトイレに行き、その後すぐに海へエントリーすることがおすすめです。

・保温対策をして、体を冷やさない!
トイレが近くなる原因のひとつに「体の冷え」があります。気温・水温ともに下がる冬の時期は、冬のダイビング、服装の注意点・防寒対策でも紹介しているように、しっかりと寒さへの対策をしておくことが大切です。特に、体の末端が冷えることによってトイレに行きやすくなるとも言われていますので、ドライスーツの際は厚手の靴下をはく、フードやグローブで体の熱を奪われやすいところをカバーするなど、万全の準備をしておきましょう。

・ダイビング前の食べ物や飲み物にも注意!
さらに注意したいのが、ダイビング前の食べ物や飲み物。体を冷やしたり、利尿作用のあるものを摂取すると、トイレが近くなります。代表的なものとして、利尿作用があるのはコーヒーや栄養ドリンクなどカフェインを含むもの、柑橘類のフレッシュジュース、酸味・辛みの強いもの、塩分の多いものなど。また、スイカやキュウリ、たまねぎのほか、砂糖をたっぷり使ったものなどは体の冷えの原因となるそうなので注意しましょう。
 

ダイビング中トイレに行きたくないからと水分を控えるのはNG

このように、ダイビング中にトイレに行きたくなるのを防ぐための方法はいろいろありますが、よく聞く意見で大きな間違いなのが「トイレに行きたくないから、ダイビング前には水分を摂らないようにしている」というもの。確かに、水分を控えればトイレの問題は解決しますが、体の水分が不足して血液の流れが悪くなることで「減圧症」になりやすいという別の大きな問題が発生します。そのため、ダイビングの前後には十分な水分補給が必要と言われていますので、くれぐれもトイレの対策として水分を控えるのではなく、上で紹介したような方法でしっかりと準備することをおすすめします。

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