ダイビングに関する話題でよくあるのが「どのくらい深く潜れるの?」という質問。ちなみにギネス世界記録では、2014年9月18日に紅海・ダハブにてエジプト人ダイバーのAhmed Gabr氏が記録した「332.35 m」がありますが、これは多くのサポートダイバーがつき、浮上だけで13時間以上を要したという特別なもの。一般的に楽しめるスキューバダイビングでどのくらいの深さまで潜れるのか、詳しく解説します。
スキューバダイビングで潜れる深さはどれくらい?

どこまでも深く広がる海の世界。スキューバダイビングではどこまで深く潜れるのでしょうか。

エントリーレベルのCカードでは最大水深18m

インストラクターがケアし、初めての人も参加できる「体験ダイビング」でも最大水深12mまで潜れますが、PADIのオープン・ウォーター・ダイバーなど、いわゆるエントリーレベルのCカードを取得したダイバーの場合、バディと共に潜れる最大水深は18mとなっています。ただし、ダイバーが潜れるのは「受けたトレーニングと経験の範囲内」であり、その範囲を超えて潜る場合(例えば夜間に潜ったり、洞窟や沈船の内部など頭上を塞がれる場所を潜る場合など)は、たとえ水深18mより浅くても、追加のトレーニングを受ける必要があります。

レジャーダイビングでの最大水深は40m

「18mよりも深い海の世界を体験したい!」と思ったら、継続教育(ステップアップ)コースを受講して、より深いところを安全に潜るための知識・スキルを身につける必要があります。というのも水深が深くなると圧力が増え、窒素酔いや減圧症などの潜水障害のリスクが高くなるほか、消費する呼吸ガスの量が増えたり、光が届きにくいことからストレスを感じることもあるからです。PADIの場合、アドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー・コースを受講すると最大水深30mまで、さらにディープ・ダイバー・スペシャルティ・コースを受講すると最大水深40mまで潜ることができるようになります。

この「水深40m」がレジャーダイビングで潜ることができる最大の深さとなっており、前述した窒素酔いや減圧症などの潜水障害のリスクを考えると、水深30mまでの範囲内で潜ることが推奨されています。※テクニカル・ダイビングやリブリーザーを使用したダイビングでは、さらに深く潜ることができます。

年齢による制限も

上記の深度は15歳以上のダイバーに適応されるもので、15歳未満の「ジュニア・ダイバー」の場合は深度が制限されている場合があります。PADIの場合、10~11歳のジュニア・ダイバーは、親、保護者、またはPADIプロフェッショナルと一緒という制限付きで、最大深度12mまで潜ることができます。また12~14歳の場合、ジュニア・オープン・ウォーター・ダイバーでも最大水深18mまで潜れますが、継続教育コースを受けても最大21mまでの深さに制限されています。
⇒ダイビングに年齢制限はあるの?

大切なのは「受けたトレーニングと経験の範囲内」で潜ること

ひとつ注意したいのは、上記の深度はあくまで「最大」ということ。実は「オープン・ウォーター・ダイバーであれば誰でも水深18mまで潜れる」というわけではありません。前述したように、ダイバーが潜れるのは「受けたトレーニングと経験の範囲内」とされており、例えばオープン・ウォーター・ダイバー・コースの場合、トレーニング・ダイブ(※1)で最大18mまで潜ることが可能なので、インストラクターと共に水深18mまで経験していれば、コース終了後にダイバーとして水深18mまでのファンダイビング(※2)楽しむことができますが、トレーニング・ダイブで潜ったのが水深14mまでであれば、その後のファンダイビングは水深14mまでの深さに留めるべきといえます。

同様に、アドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー・コースのトレーニング・ダイブでインストラクターと共に潜った(経験した)深さが20mであれば、その後にアドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバーとして潜れる深さは20mまで。もっと深く潜りたいと思ったら、インストラクターと共にトレーニング・ダイブでその深さを経験すべきです。「自分はアドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバーだから30mまで大丈夫」と勘違いし、今まで経験したことがない深さにファンダイビングでいきなり潜るのは大きなリスクがありますので、注意しましょう。

ダイバー同士の会話でよく「自分は●mまで潜ったことがある」と自慢げにいう人がいますが、単に「深く潜れる=ダイビングが上手い」というわけではありません。海の世界は、水深に応じて見どころがありますし、深く潜ればそのぶんリスクも増加します。それらをきちんと理解したうえで、目的に応じた水深でダイビングを楽しむことをおすすめします。

※1)トレーニング・ダイブ・・・インストラクターの監督下で知識やスキルを習得し、経験を積むダイビング
※2)ファンダイビング・・・これまでに受けたトレーニングと経験の範囲内で、ガイドやバディと共に海の世界を楽しむダイビング



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