スキューバダイビング/スキューバダイビングのトラブル対処法

冬のダイビング、服装の注意点・防寒対策

夏のレジャーというイメージのあるスキューバダイビングですが、日本の海でも一年を通して楽しむことができます。とはいえ、冬の時期のダイビングでは、やはり「寒さ」に注意が必要です。そこで今回は、冬の海を快適に潜るための防寒対策について紹介します。

鴫谷 隆

執筆者:鴫谷 隆

海洋環境問題・スキューバダイビングガイド

冬もダイビングを楽しもう

冬もダイビングを楽しもう


夏のレジャーというイメージのあるスキューバダイビングですが、日本の海でも一年を通して楽しむことができます。陸上に四季があるように、海の中にも四季があり、季節によって異なる見どころが。今の時期(冬)は、海の透明度が上がり、ダイナミックな地形を楽しむのに最適なうえ、水温が下がると深海から生物が浅場に上がってくるため、アンコウなどの非常にレアな生物との遭遇も期待できます。しかも、夏に比べて海への道が渋滞することもなく、時間を効率的に楽しめるというメリットもあり、多くのダイバーが海を楽しんでいます。
「ダイビングは冬もおもしろい!」

とはいえ、気温・水温ともに低い冬の時期のダイビングでは、やはり「寒さ」に注意が必要です。そこで今回は、冬の海を快適に潜るための防寒対策について紹介します。
   

冬のダイビングの服装:ドライスーツ

ドライスーツ

 水温の低い海で大活躍するドライスーツ


水温の暖かい時期はウエットスーツを着てダイビングを楽しみますが、水温の低い時期はドライスーツがおすすめ。ドライスーツとはその名の通り、体が濡れないスーツです。

スーツの中に水が入らないように首と手首の部分がしっかりとシールされており、ブーツはスーツと一体になっています。またファスナーも防水ファスナーという特殊なものを使用しているので、水着ではなく服を着たままでOKです。体が濡れないぶん保温力もあり、国内で1年中ダイビングを楽しむうえでの必需品といえます。

素材自体に保温性があるネオプレーン製のドライスーツが主流ですが、最近では、中に着るもの(インナー)の量を調節することによって幅広い水温に対応できる、シェル(ファブリック)タイプのドライスーツも注目されています。
 

冬のダイビングの服装:インナー

ドライスーツの中に着る服にも工夫したいところ。ネオプレーン製のドライスーツは、それほど水温が低くなければ、長袖シャツやトレーナー、ジャージなどで十分ですが、より水温の低い時期には、ヒートテックなどの保温性の高いインナーを着るといいでしょう。注意したいのは、汗をかいてしまうと、体の熱が奪われやすくなってしまうということ。撥水性の良い素材のインナーがおすすめです。シェルタイプのドライスーツの場合は、より多くのインナーを身につける必要があります。
 

冬のダイビングの服装:フード

ダイビング用フード

頭部からの熱の損失を防ぐのに役立つフード


Cカード取得講習でも習いますが、頭から失われる熱は、全体の体温喪失の75%にも相当します。水温21度以下で潜る際にはフードが必要と思ったほうがいいでしょう。ちょっと格好は悪いのですが(笑)、かぶると暖かさの違いがはっきりとわかります。より保温性を高めるために目と口のところだけが開いているタイプもあります。
 

冬のダイビングの服装:グローブ

水中で手を保護するために身につけるグローブですが、防寒対策にも大いに役立ちます。水温の低い時期には、生地の厚い冬用のグローブがおすすめ。流氷ダイブなど、さらに水温の低い場所を潜る際には、ミトンタイプのグローブが使われることもあります。

以上がダイビングの代表的な防寒用品です。このほかにもダイバーの皆さんは様々な防寒対策をしており、例えば「ドライスーツの下にカイロをつける」、「食事は豚汁やショウガを使ったものなど体が暖まりやすいものをとる」など、いろいろと工夫をしているようです。中には「ロクハン」と呼ばれる6.5mmの厚手のウエットスーツで冬でも潜り「粉末状の入浴剤をスーツの中に入れるとシュワシュワして暖かい」という強者も。

皆さんもしっかりと防寒対策をして、快適に冬の海を楽しんでくださいね。

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