そんな『アナ雪』ブームの今年の締めとなるのが、12月31日にNHKでオンエアされる『紅白歌合戦』内での「アナ雪コーナー」。先日その詳細が明らかになり、ニューヨークからの生中継という形で、英語版・エルサ役のイディナ・メンゼルさんと日本語版でアナを演じた神田沙也加さんの共演が発表されました。
英語版でエルサを演じ、『Let It Go』を歌って「レリゴー現象」を巻き起こしたイディナ・メンゼルさんのこと……あなたはどの位ご存知ですか?
ブロードウェイのスーパースター
イディナ・メンゼル
イディナ・メンゼル
彼女を語るのに外せないのが「ブロードウェイ」という単語。そう、イディナ・メンゼルはブロードウェイのスーパースターなのです。
イディナのブロードウェイデビューは1996年の『RENT』。1989年から90年のニューヨーク・イーストヴィレッジに生きる若者たちを描いたこの作品は上演開始と共に大ヒット。本作で彼女は自由奔放に生きるバイセクシュアルのパフォーマー、モーリーンを演じ、演劇界のアカデミー賞とも言えるトニー賞にもノミネートされました。
この『RENT』はブロードウェイで幕を開けた時のキャスト(=オリジナルキャスト)を多く起用して2005年に映画化もされており、彼女は映画版にも参加。舞台と同じくモーリーンを演じています。
『RENT』初演で一躍その名をブロードウェイに知らしめたイディナは2001年のディズニーミュージカル『アイーダ』(アムネリス役 日本では劇団四季が上演)、ロックミュージカル『Hair』を経て、2002年には『ヴァギナ・モノローグス』でストレートプレイにも挑戦。日本でも宮本亜門氏らの演出により再演を繰り返しているこの作品で彼女は”心の深い場所を使ってする演技”について目覚めたと語っています。
『ウィキッド』エルファバ役との運命の出会い
ブロードウェイでメジャーな存在になったイディナが次に大きくブレイクしたのは2003年に開幕した『ウィキッド』のエルファバ役。『アナと雪の女王』と同じくWヒロイン制の本作で、全身緑色で生まれて「悪い魔女」として生きることを余儀なくされるエルファバを演じた彼女は、ブロードウェイで舞台に立つ俳優として最高の名誉とも言えるトニー賞・主演女優賞を手にします。『ウィキッド』はブロードウェイでの開幕以来、アメリカ、イギリス、ドイツ、オーストラリア、オランダ、フィンランド、そして日本と、多くの国で様々なカンパニーが上演していますが(現在日本では劇団四季が上演権を保有)、中でも世界で最初にエルファバを演じたイディナ・メンゼルは特別なアイコンとして今でも多くの人に支持され愛されているスペシャルな存在なのです。
『ウィキッド』の成功で揺るぎない地位を獲得したイディナは2005年にオフブロードウェイ作品『See What I Wanna See』に出演し、活動の場をブロードウェイがあるニューヨークからハリウッドへ移すのですが……。
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