球団本部長も「優勝できる体制が整った」と胸を張る
大型補強にも乗り出した。目玉は2年間のメジャー挑戦から日本への復帰を希望した中島裕之内野手(32)の獲得だ。古巣の西武や人気の阪神との争奪戦を制しての獲得は、3年14億円という“誠意”が通じたからであり、西武在籍時代の通算打率.302、162本塁打という打撃が戻れば、他チームへの脅威となる。
また、今季チーム最多の32本塁打を放ったペーニャが抜けた穴を埋める大砲として、中日、DeNAでの6年間で計169本塁打のトニ・ブランコ内野手(34)を2年総額5億円で、広島での3年間で40勝を挙げたブライアン・バリントン投手(34)を1年1億5000万円で獲得した。さらに日本ハムで主力を担った小谷野栄一内野手(34)も3年総額3億円で入団にこぎつけたのだから、瀬戸山球団本部長が「優勝できる体制が整った」と胸を張るのもわかるというものだ。
オリックスといえば、名将・仰木彬監督(2005年に死去)がイチロー、田口壮らを擁して戦った1995年、1996年にリーグ連覇。1996年には日本一に輝いた。しかし、イチローがメジャーへ旅立った2000年以降は低迷し、リーグの中でも存在感が薄くなっていた。それが今年、雰囲気が一変した。若手、中堅、ベテランがうまく噛み合い、躍進。チーム全員が「優勝したい」と本気で思うようになった。平野佳が3年の長期契約を結んだのも、中島が西武や阪神ではなくてオリックスを選んだのも、チームが明らかに変わって来た証拠である。
「来季は敗者から勝者に変わる年。今年つかめなかったものを一丸となって奪いにいく」と森脇監督の鼻息も荒い。19年ぶりとなるリーグ制覇へ、オリックスへ絶好の追い風が吹き出した。