AGAのメカニズム
髪の毛は木と同じように時間をかけて太くなり、その1本1本にも寿命があります。毛周期というサイクルにしたがって、成長しては抜け落ち、同じ毛根からまた新しい髪が生えてくるというサイクルを繰り返しているのです。髪の毛は日々生え変わるものなので、シャンプーの際の抜け毛や、朝起きたときの枕元の抜け毛などは、いちいち気にする必要はありません。
正常な髪の発毛サイクルが保たれていれば、薄毛になりません。しかし、このサイクルを乱す物質DHT(ジヒドロテストステロン)が存在すると、薄毛の原因となってくるのです。
発毛サイクルを乱す物質、DHT
これは男性ホルモンの一つです。DHT(ジヒドロテストステロン)は胎児期には男性の発達に欠かせない役割を担っているのですが、思春期を過ぎるとAGAだけでなく、ニキビや前立腺肥大などの症状を引き起こす悪玉男性ホルモンへと変化してしまいます。DHTは、男性ホルモンの「テストステロン」が「5αリダクターゼ」という酵素の働きによって変化したもので、このDHTが毛乳頭細胞に存在する男性ホルモン受容体(レセプター)と結びつくと、髪の毛の正常なサイクルを狂わせてしまいます。
すると正常であれば5年ほどあるはずの髪の寿命が、わずか数ヶ月から1年で成長が止まりってしまい、髪の毛は成長しきる前に抜け落ちて、次第に薄毛になってしまいます。
酵素の分布に特徴があるため、結果としてAGAでは前頭部と頭頂部の薄毛が目立ってきます。
次ページでは「AGAの治療法」について、紹介します。