新築マンションは小規模中心、
お手頃なアパートも見つかるエリア
建物の高さが制限される地域のため、建物は高くても3階くらいまでが大半。そのため、空が広く感じられる
まず新築マンション。コンスタントに供給はされてきていますが、いずれも規模は50~60戸程度とさほど大きくない物件ばかり。通り沿い、駅周辺を除けば、第一種低層住居専用地域という、もっとも住環境が規制される地域が多いため、それほどの高さ、規模の物件が立ちにくいのです。そのため、マンションが建てられても3階、高くても4階まで。その分、住環境は保たれるわけです。
西武池袋線中村橋駅周辺。最寄り駅が西武池袋線という物件のほうが価格は手頃
価格は立地する自治体によって微妙に異なります。鷺ノ宮駅周辺は中野区ですが、北に行けば杉並区、南にいけば練馬区となり、中野区を中心に考えると、杉並区内はやや高め、逆に練馬区内はややお手頃となっているのです。多少の違いを除き、ざっと目安としての数字を挙げるとすると70平米で4500万円~5000万円超というところです。
新青梅街道沿いには新旧取り混ぜてマンションも。デザイナーズらしい賃貸物件も見かけた
中古は築数年から30年、40年と幅がありますが、築10年以内で70平米なら、4000万円前後がひとつの目安。一部にはかつて高額物件として販売された物件もありますし、阿佐ヶ谷に近い場所では逆にワンルームなども。物件の数はそれほど多くはありませんが、幅はあるというわけです。
土地の販売現地。まとまった土地を細かく分けて分譲する方法で、ここでは10区画以上が販売されていた
歩いていて目についたのは一戸建て用の土地の販売。かつて一戸の土地だったところを分割して売っている現場で、価格は駅から数分以内で土地面積70平米台で3000万円以内というところ。建売住宅で中心となっている価格が4500万円から5000万円超ですから、土地を買って建物を建てて5000万円くらいと計算でしょうか。マンションともそれほど変わらない価格で一戸建てが手に入るエリアというわけです。
学生向きの古いアパートも点在。もちろん、規模は小さいものの、都心に比べれば日当たり、通風などには恵まれている
賃貸では単身者向きのアパートが多く、家賃は5万円台前半から。古いアパートも多く残されている地域なので、探し方によっては手頃な物件も見つかるはずです。2DKはアパート、マンションともに9万円~。分譲タイプよりも、賃貸専用として建てられた物件が多いので、広めの部屋はあまりありません。
子どもの頃、しばしばこのエリアを訪れる機会があり、子ども心に静かできれいな街と思っていたもの。その印象は今もあちこちに残されている
足回りの便利さと街ののどかさが対照的な街鷺ノ宮。家に帰ってきてまでせわしない気分になりたくない、静かな暮らしをしたいという人なら一度訪れてみる価値はあるかもしれません。実際、永住志向の方には人気があるとは地元の不動産会社さんの弁でした。