南に阿佐ヶ谷、北に練馬、中村橋、
西武新宿線鷺ノ宮は緑の多い、のんびりした街
中央線阿佐ヶ谷駅からは中村橋、練馬など西武池袋線駅へのバス便が豊富。途中で鷺ノ宮など西武新宿線の駅を通過する
JR中央線阿佐ヶ谷駅北口から関東バス練馬駅行きに乗ります。西武新宿線鷺ノ宮駅(中野区)は中央線と西武池袋線の間を走るバス路線のちょうど真ん中くらいにあるのです。
バス通り沿いに突如表れるうっそうとした森。緑の中には古いお屋敷などが残されている
バスが並木が印象的な中杉通りを抜け、早稲田通りを渡った辺りから、風景が少し変わり始めます。それを実感するのが中野区に入ってすぐのところにある白鷺1丁目のバス停周辺。武蔵野という言葉を思い出させる、ケヤキの巨木を中心とする緑が大きな森となっているのです。
地名の由来となった鷺宮八幡神社。隣接して白鷺の地名の由来となった白鷺山福蔵院なるお寺がある
住所で言えば白鷺1丁目、2丁目は西武新宿線鷺ノ宮駅の南側にあたり、駅近くを流れる妙正寺川を見下ろす高台になっています。駅の北側も同様に台地となっており、こちらの住所は鷺宮(一部白鷺3丁目を含む。駅名は鷺ノ宮、地名は鷺宮でいささか注意が必要)。いずれも水辺に生息する鳥の名まえ、鷺を由来としていますが、この地名の由来となったのは駅南側にある鷺宮八幡神社。かつてはここに多くの鷺が集まったことから、鷺明神、鷺宮大明神などと呼ばれており、それが転じて地名になったのだとか。古くから人の住んでいた土地なのです。実際、南側の森の中では長屋門のある、古くは庄屋さん宅であったろう住宅なども見かけました。地元には神社ゆかりのお囃子も伝わっていると聞きました。
中杉通り沿いに残されていた洋館。住宅街の中にも由緒のありそうな住宅が点在していた
住宅地として開発が進んだのは関東大震災以降。西武新宿線鷺ノ宮の駅自体は昭和2年に設置されていましたが、開発自体は大正後期からというわけです。白鷺1丁目、2丁目にはその当時に建てられてであろう洋館なども残されており、植栽の木々も見事。歴史のある住宅地であることが分かります。
駅周辺には商店街に図書館、
その他の公共施設も
西武新宿線鷺ノ宮駅の、商店街のある北口駅前。店舗の先に駅への入り口があり、その奥は駐輪場
ほとんど車が通ることもない、静かな住宅街同様、駅周辺にものんびりした雰囲気があります。鷺ノ宮駅は急行停車駅で西武新宿までは11分、高田馬場駅で乗り換えれば渋谷、大手町へも20分以内という便利な場所にあるのですが、駅前の様子はもっと郊外の駅のように見えます。
中杉通り沿いの商店街。中杉通りは阿佐ヶ谷から南に向かうに連れて細くなっている
といっても商店街がないわけではありません。中心となっているのは駅北側の中杉通り沿いで、新青梅街道までの間。新青梅街道の角にはスーパーがありますし、飲食店、生鮮食料品店にクリニック、薬局などと一通りの店は駅周辺で揃います。
ラーメン店が目立ったのは、やはり学生など若い居住者が多いためか。最近流行のメガ盛りの店もあった
中杉通りから横に入った道沿いにも飲食店を中心に店があり、地元の商店街では店舗紹介の冊子を発行してもいました。西武新宿線は昔から高田馬場、新宿に通う学生が多い沿線ですから、住んで深く知れば意外に便利、そんな街なのでしょう。ただ、あまり遅くまで営業している店は無いようです。
街の中では自転車で走り回る人の姿を多く見かけた。川の近くには坂があるものの、全体としては平坦な土地なので走りやすいはず
また、中央線沿線までの間は平坦な土地でバス便も多いため、自転車、バス利用で中央線沿線に買い物に出るのも一般的とのこと。お隣都立家政との間も鉄道の距離にして0.5キロしか離れていませんから、ここの商店街を利用する手もあります。
妙正寺川沿いにある鷺宮体育館。隣接してグラウンドもあり、奥は都営の団地となっている
駅近くには図書館や体育館、郵便局などの公共施設も揃っています。交通では中杉通り利用で中央線沿線にも西武池袋線沿線にも出られますし、早稲田通り、新青梅街道といった幹線道路もあり、電車、バス、車のいずれにも便利です。しかし、その便利さを感じさせぬのどかな風情がこの街の特徴。せわしない毎日を忘れそうな雰囲気があります。
では気になる
西武新宿線鷺ノ宮駅周辺の住宅事情を見て行きましょう。