復帰2戦目でシャドウダンサーが目指すのは?
10月19日の鳴滝特別(芝2200m/京都競馬場)を快勝し、見事に復帰戦を白星で飾ったシャドウダンサー。同馬は勢いそのままに、連勝を目指してふたたび京都競馬場に現れます。その舞台は、11月15日に行なわれた比叡ステークス(芝2200m/京都競馬場)でした。競走馬は、成績に応じてさまざまなクラスに所属しています。休み明けのレースを制したシャドウダンサーは、それにより「1600万下」というクラスに昇格しました。1600万下は、最上級クラスとなる「オープン」の一つ下。つまり、この比叡ステークスを勝てば、いよいよオープン入りとなるのです。
オープンになれば、その中で行なわれるG3レースやG2レース、そして、競馬界の最高峰となるG1レースを目指せます。だからこそ、この一戦は力の入る瞬間。もちろん、そういうクラスですから、前走のレースよりもハイレベルな戦いが展開されます。勝つのは簡単ではありません。
パドックに現れたシャドウダンサーは、前走から変わらず好調に見えました。何の問題もありません。「ますます大人になったな、シャドウダンサー!」という感じで、頼もしささえありました。
前走で述べた「歩様(歩き方)の柔らかさ」も変わらず好印象。馬によっては、レースを使うことで疲労が溜まり、歩様が硬くなるケースもあるのですが、シャドウダンサーは復帰2戦目でも変わりなし。状態面では不安を感じませんでした。
まさに「言うことがない」という状態。書くことがないライター泣かせの展開。しかし、それでも一筋縄ではいかないのが競馬なんです。
ライバルが見せた「うまいレース」
今回の舞台となる京都競馬場の芝2200mは、白星を飾った前走とまったく同じ。そこで「教科書通り」の競馬をしたシャドウダンサーなら、コースへの懸念もなし。私は正直、シャドウダンサーが勝つ姿ばかり想像していました。加えて、コンビを組むのも前走と同じ岩田康誠騎手。もう何も心配いりません。ファンもシャドウダンサーを信頼し、1番人気に支持します。
強いて不安点を挙げるなら、「スタートの出遅れ」。前走では、その後にうまくカバーできたから良いものの、スタートで他馬より体一つ分ほど遅れていました。ここはぜひとも改善してほしいところ。とはいえ、それほど大きな心配ではありません。
ということで、レース前から勝利を期待してニヤニヤが止まらなかった比叡ステークス。そんな情報ばかり書いても仕方ありませんから、レースを見て頂きましょう!
比叡ステークスのレース映像(シャドウダンサーは黄帽の5番)
1番人気のシャドウダンサーは、まったく問題ない、ソツのないレースぶり。しかし、結果は無念の2着……。スタートから先頭を奪ったスズカデヴィアスを捕まえることができませんでした。
スズカデヴィアスは、このレースで6番人気の低評価。ただしこの馬は、実は6月1日の日本ダービーに駒を進めていた同世代の実力馬。シャドウダンサーが出られなかったダービーに出ているのですから、これは相手の強さを認めるべきなのかもしれません。
なお、今回のスズカデヴィアスの戦法は、競馬でいう「うまいレース」の典型。野球でいえば流し打ち、サッカーでいえばループシュートといった具合の、テクニシャンのレースなのです。
それでは次ページで、詳しくレースを振り返りましょう。