食品工場での衛生管理は最低限のリスク管理
今回のケースでいうと、事件発生時に食の安全性を問われかねない問題であったにもかかわらず、詳細な調査も経ずに安易なコメントを発表してしまったまるか食品の経営姿勢には、「トップのリスク管理意識が希薄であったと」受け取られても仕方のない状況であったと言えるでしょう。
企業規模では測れないリスク管理責任の軽重
最後に、今回の件に関連して一部で「大手企業でもない会社が、大手企業並みのリスク管理責任を問われるのは酷ではないか」という、まるか食品に同情的な出ているようなので、その点についてもリスク管理の基本的考え方の観点からひと言申し添えたいと思います。食品業界など自社製品が幅広く消費者に行きわたるようなビジネスにおいては、企業規模の大小に関係なく、自社製品の安全性の瑕疵が消費者に及ぼす影響力の大きさに応じてリスク管理要求度合いは高くなると理解すべきです。裏を返すなら、消費者になんらかのリスクを負わせる可能性があるようなリスク管理が甘い企業は、多数の消費者を相手にするようなビジネスには手を染めるべきではないということになるでしょう。
こう言った観点から今回のまるか食品の一件を眺めてみると、本件は単に一食品メーカーの管理不手際という問題にとどまらず、規模の大小を問わない企業のリスク管理マネジメントのあり方に一石を投じている問題でもあると言えるのです。