ミュージカル/ミュージカル・スペシャルインタビュー

Star Talk Vol.21 ヤン・ジュンモ、無償の愛を生きる(2ページ目)

声楽家出身、そのゆるぎない美声と情熱的な演技で『ジキル&ハイド』『オペラ座の怪人』等に主演し、韓国を代表するミュージカル・スターの一人に数えられるヤン・ジュンモさん。その彼が15年、日本版『レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャン役に挑戦します。作品への熱い思い、そして真摯でロマンティストでもある素顔をご紹介します!*観劇レポートをUPしました!*

松島 まり乃

執筆者:松島 まり乃

ミュージカルガイド


バルジャンの「ビフォー」「アフター」を克明に表現したい

本邦初公開!ジャン・バルジャンに扮したヤン・ジュンモさん。写真提供:東宝演劇部

本邦初公開!ジャン・バルジャンに扮したヤン・ジュンモさん。写真提供:東宝演劇部

――製作発表記者会見で初めてキャストの皆さんとお会いになったそうですが、日本と韓国ではカンパニーの雰囲気に何か違いは感じましたか?
『レ・ミゼラブル』写真提供:東宝演劇部

『レ・ミゼラブル』写真提供:東宝演劇部

「いえ、“家族的”である点で非常に近いものを感じました。韓国では、例えば1年前に出演した作品の仲間たちとは、今でも全員、カカオトークというSNSで繋がっていたりしますが、そういう家族的な仲の良さ、信頼感が、今回の日本のカンパニーにも既に漂っています」

――ジャン・バルジャンは本作において非常にドラマティックな“旅”をする人物ですが、ジュンモさんは彼をどのように演じていこうとお考えですか?

「これは原作でもはっきり描かれていることなのですが、ジャン・バルジャンは神との出会いによって、大きく変わってゆく人物です。「ビフォー」「アフター」の差は歴然ですよね。彼は決して超人的な存在ではなく、私たちと同じ“普通の人間”ですが、(司教との銀の燭台の一件を通して)神の御心に触れ、それ以後はコゼットをはじめ、他者にとことん“与える”人生を歩んでゆく。私はクリスチャンなのですが、本作を読んでいると、キリスト教的精神の影響が色濃く感じられ、深い共感を覚えます。
『レ・ミゼラブル』写真提供:東宝演劇部

『レ・ミゼラブル』写真提供:東宝演劇部

本作の登場人物たちは皆、何かを守っています。ジャベールなら“自分の信念”、テナルディエは“お金”を守りながら生きているわけですが、バルジャンの場合、それは“神様との約束”です。神と出会って以後、守るものが明確になった彼はなぜ、局面局面であのような選択をし、あのように心情を歌っているのか。それをお客様が納得し、自然にご覧いただけるよう表現してゆくことが、私の役割なのかなと思っています」

*次ページでは韓国、ロシアで声楽家修業を積んだジュンモさんの”これまで”を伺いました!
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