ノルウェーのイクメン事情

ノルウェーといえば、子育て先進国。2014年度のママに優しい国ランキングで堂々の第2位! 社会福祉制度が整っていたり、有給の出産・育児休暇が保障されていたりと、産後も仕事を続けるのが普通というノルウェーの女性達を社会全体でサポートしているのが分かります。確かにママにとっては嬉しい制度ですよね。

ただ、ノルウェーがママに優しい国なのは、社会体制だけではありません。これには、パパのイクメンぶりも大きく貢献しています。パパが6週間の有給育児休暇を取る権利が認められて約20年。導入当時こそ、その取得率は低かったものの、今では9割近いパパが取っているのだそうです!

そんなノルウェーでは、ワーママが当たり前なように、イクメンも当たり前。そこには、男女関係なく、家族のためにできることをする姿があります。しかし、そんなノルウェーのイクメン事情も、ここ20年ほどの変化なのだそう。よって、ノルウェーのパパ達は、今まさに、父親が子供に与えるポジティブな影響を実感している最中なのだそうです。


ノルウェーで行われたパパ育児に関する調査で分かった意外なこととは?

そんなノルウェーで最近、パパ育児の影響力に関する大規模な調査が行われました。そこで見えてきたのは、多くのパパが、生後間もなくの時期から、子供と一緒に過ごしている光景でした。ほほえましいですよね。

しかしながら、その子供達をさらに1~2年追跡調査すると、子供達の行動パターンに変化が出てくることが分かりました。どのような変化かと言うと、
  • ポジティブな行動パターンが順調に伸びてきた子もいたが(2歳の時点)
  • 社会での適応能力が乏しい子も出てきた(3歳の時点)
ということ。

もちろん、パパ育児が子供の行動の全てを決めるわけではありませんが、0~1歳のときにパパと沢山の時間を一緒に過ごしたというのは、子育てにおいて明らかにポジティブな要因に思えます。それにもかかわらず、なぜこのような両極端な変化が起こったのでしょう?


パパの接し方、ここが違った!

調べてみると、その差は、パパと過ごした時間の「質」と比例していることが分かりました。つまり、パパと沢山の時間を一緒に過ごしても、質が不十分だと、子供にはポジティブに響かないのです。

子供が幼少時に親に示す愛着のことを、心理学では「アタッチメント」と呼びますが、アタッチメントの形成においても、時間より質の方が大事ということが分かっています。この調査は、それを裏付けた形になります。

では、具体的に、はじめの1年の過ごし方として、何がポジティブ要因で、何がネガティブ要因だったのでしょうか?

■ポジティブな影響力を持つパパの行動

0歳代の赤ちゃんとの接し方で、何よりも大事だったのは、次のような行動でした。

  • 子供が発するサインに注意を向ける
  • それを敏感に感じ取ろうと働きかける
  • 子供のことをよく観察している
  • 一生懸命コミュニケーションを取ろうとする
  • 目線の先は何を見ているのか、何で遊びたいと思っているのか、などをパパから積極的に感じ取ってあげる
ことがカギだったそうです。

■ネガティブな影響力を持つパパの行動


一緒に過ごしているのにもかかわらず、ネガティブな影響を与えてしまったパパの接し方には次のような特徴がありました。
  • 子供のリアクションを待たない
  • パパが遊びを決めてしまう
  • 子供が何かやろうとしているところへ、新しいおもちゃを持ち出す
  • 子供が興味を持ってやっていることに対し、「いやいや、そうやるんじゃない、こうやるんだ」と主導権を奪ってしまう

イニシアチブを誰が取っているかがポイント

パパ主導ではなく、子供主導、これがカギ

パパ主導ではなく、子供主導、これがカギ

両者ともに長い時間を子供と過ごしています。でもその過ごし方が違うのがはっきりと感じ取れますね。何が決定的に違うのかといえば、誰がリードするのかということ。その時間の主導権を誰が持っているかが大きく違うのですね。

特に行動範囲や言葉がまだ自由ではない0歳代は、それが顕著に出るようです。とはいえ、子供と一緒に過ごす時間の質を高めるコツは、何歳になっても変わりません。

上に書いたポジティブな影響力を持つパパの行動をひとことで言えば、

子供が送ってくるサインをしっかり受け止めてあげる

ということ。これからの年末年始、「この子は、今、何を欲しているのかな?」と子供の心に耳を傾ける姿勢でお子さんと過ごしてみると、質の高い時間を過ごせるはずです。

*出典:Science Daily (2014) 「Dad is important for his children's development.」より

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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。