ツインエア搭載で低燃費。仕立ても高級
初代イプシロンのデザインはかなり個性的で、人によっては「ちょっと……」となる人もいたと思います。インテリアデザインもフィアット500とは異なり、センターメーター。これは初代イプシロンからの伝統です。センターコンソールはピアノブラックで仕上げられ、メーターパネル側面にはLEDによるアンビエントライトまであります
しかし2代目、そしてこの3代目はより万人受けするデザインになったのではないでしょうか。とはいえ決して没個性というわけではなく、例えば3代目のリアデザインは他車にはない特徴のある造形です。
搭載されるエンジンは2気筒の0.9L。そう、フィアット500でツインエアと呼ばれているエンジンです。ミッションは同じく2ペダルMTのセミオートマチックトランスミッションが組み合わされています。
アイドリングストップ機構も付いて、JC08モードで19.3km/L。国産車と比べると少々見劣りはしますが、それでも十分低燃費。とはいえ動力性能に物足りなさを感じることは、山道でも走らない限りまずないでしょう。
インテリアは、チープさを逆手にとって鉄板をむき出しにしたフィアット500とは違い、イプシロンはソフトな素材をふんだんにあしらうなど、やはり小さな高級車らしい装いです。
写真はプラチナの本革とファブリックを組み合わせたシート(ゴールドはファブリックシート)。オートエアコン、6スピーカー、オーディオコントローラー付き本革巻きステアリングは全車標準装備
2012年12月発売時のグレードはゴールドとプラチナの2グレード。プラチナはキセノンヘッドライト、本革とファブリックを組み合わせたシート、クルーズコントロールが標準装備されています。
より小さな高級感、最近の言葉でいえばプレミアムコンパクト感を味わいたいというのであればプラチナがオススメです。原稿執筆時点では118万円(2013年/1.4万km/修復歴なし)から見つかりました。新車時価格は260万円ですから、こちらも1年で新車時の半額以下です。
兄弟であるフィアット500は、中古車相場の通り人気が高く、それゆえ特に都市部では毎日のように見かけます。しかし認知度の低いクライスラーイプシロンは、都市部でもそう目にする車ではありません。
せっかくデザインで車を買うのであれば、やはりこうした希少性は重要ではないでしょうか。「あ、これはね、クライスラーイプシロンといってね、でもつくったのはランチアで……」なんていう物語も、きっと自然と付いてくるでしょう。
しかもわずか1年落ちなのに、100万円ちょっとで買えてしまうプレミアムコンパクト。他にはありませんよ。
このように、しっかり調べてみればお買い得な車種は意外とあるものです。あなたも一度、探してみてはいかがでしょう。
【関連リンク】
カーセンサーnet