立体と楽曲の製作方法
ガイド:曲は作品を見てから作っていったのですか?
松前:
立体が先のものが多かったかな。立体に音楽をつけるのは映像に音をつけるのに似ていますからそれほど特殊な事ではないですね。ただ「こんな素材を使います」みたいな、まだ人形は出来ていないけど、ボディだけとか、全体のイメージがわかる素材だけが決定していてその写真だけみて、作ったりすると、よりイメージがまだ確定してないので、振れ幅が広い。ちょっとダークな感じになったり、かわいくなったりとかすると、「こんな感じになったので、立体もそっちの方向で作って」っていうリクエストはありましたね。
曲が先で、曲を聴きながら立体を作ってもらったものもありました。このときは出来た立体を見せてもらったらちょっと音が出そうな部品がついていたりすると、曲の音を変更したりというやりとりもありました。そういう風な感じで、一度フィードバックさせる作業によって、どちらが先に作っても、共作的な形、関連がある形にする事が出来ました。ただあまりわかりやすくイメージ通りの音、ってのもおもしろくないので、ひねったりもしています。
ガイド:
『 ピコピコカケラ村のヒトビト (カケラビト99人とその音楽99曲)』という写真+CD+DVDも会場販売されていましたが、これは一般販売の予定もあるのでしょうか?
松前:
はい。展覧会で終わった訳ではなくて、展覧会をする事でこのコンセプトを作って、これから始まるという感じです。まずは今回の99体、99曲でCD+DVD+写真集を作ったのですが、松前公高の最新ソロアルバムでもありますので、販売しています。
ピコピコカケラ村,CD,DVDブック (「ピコピコカケラ村のヒトビト」通販のページ)
京浜兄弟社再発!
ガイド:この辺りで今後の計画とかあれば、教えてください。少し前に加藤賢崇さんにインタヴューさせてもらいましたが、京浜兄弟社のBOXの計画もあると聞き、期待しています。
松前:
そうですね。20代の頃、音楽好きが集まって、いろいろやっていた事が、この時代にこんな形で発売されるなんて、本当に驚きです。まず、再発リクエストの多かった京浜兄弟社オムニバス『誓い空しく』、僕はエキスポとコンスタンスタワーズ、どくろ団などで参加していますね。『誓い空しく』の関連アルバムとして当時はカセットだけで発売された『Snack-O-Tracks 』『空しき誓い』。『空しき誓い』では、倉地久美夫さんとのデュオを収録しています。倉地さんとは京浜兄弟社以前からテープを交換したりしていた仲ですが、共演したのは後にも先にもこの曲だけです。あとはサエキさんが歌うどくろ団の「テクノばばあ」とかエキスポの未発表曲、ライヴバージョンもいくつか収録さいれています。
21世紀の京浜兄弟社 -History of K-HIN Bros. Co.- (仮) (amazon.co.jp)
(ジャケ写なし)
ガイド:
では、10年後2024年にクロニクル Part 3が出来る事を楽しみにしています。
松前:
10年後ですね。がんばります!
ガイド:
はい、よろしくお願いします!