2018年版! クリスマスに聴いても弾いても楽しめるピアノ曲
クリスマスの夜、あなたは静かに過ごす派? それともみんなでワイワイ賑やかに過ごす派? どのような時間を過ごすにしても、音楽は雰囲気づくりには欠かせない大切なポイント! 今回はクラシック音楽を中心に、聴いても弾いても楽しめるクリスマスにちなんだピアノ曲をご紹介します。- クリスマス音楽の王道!アヴェ・マリア
- 神聖なクリスマスの夜に!教会音楽の父バッハを弾く
- クリスマスツリーの響きとは?
- クリスマスを彩る!チャイコフスキーの音楽
- 映画から誕生した心に残るクリスマス音楽! ”Merry Christmas, Mr.Lawrence"
- 静かに過ごすクリスマスの夜に聴きたい!
- 連弾で楽しむクリスマス音楽
- 【2018年版】クリスマス曲ピアノ新譜のご案内
クリスマス音楽の王道!アヴェ・マリア
クリスマスコンサートで必ずと言っていいほど演奏されるのが、イエスキリストの聖母マリアを讃える「アヴェ・マリア」。多くの作曲家が「アヴェ・マリア」というタイトルで曲を作っていますが、共通しているのは神聖な響きと優しさに満ち溢れた美しいメロディー。心が洗われるような清らかな気持ちになります。その中でも一番有名なのは、シューベルト作曲の「アヴェ・マリア」ではないでしょうか。原曲は歌とピアノ伴奏ですが、ピアノソロ用に編曲された楽譜も多く出版されているので、自分の演奏レベルに合った楽譜が必ず見つかります。
■弾いてみましょう!
▼【中級レベル】吉松隆 編曲/アヴェマリア
作曲家、吉松隆によるとても美しい編曲で、シューベルト、モーツァルト、カッチーニの「3大アヴェ・マリア」が収録されています。
自分で演奏するには難易度が高くなりますが、重厚感があり聴き応えがあるのは、超絶技巧練習曲など高いテクニックを要する作品を多く残したハンガリーの作曲家リストの編曲によるシューベルトの「アヴェ・マリア」です。
■聞いてみましょう!
フランツ・リスト(1811-1886):
「シューベルトの歌による12のピアノ曲集」より ”Ave Maria”
(ピアノ:ヴァレリー・トライオン)
動画:naxos japan
神聖なクリスマスの夜に!教会音楽の父バッハを弾く
日本人にとってクリスマスは、プレゼントを交換したり、ロマンチックなディナーを楽しんだり……というイベントがメインで、実は本来の意味を知らないという人も多いかもしれません。クリスマスはイエスキリストの誕生を祝う降誕(誕生)祭のこと。クリスマス・シーズンには教会でのイベントが多く催され、古くからそのための音楽が作曲されてきました。教会音楽の父と呼ばれるバッハにも、クリスマスのために作られた「クリスマス・オラトリオ」というオーケストラと歌のための曲があります。厳かで品格のあるバッハの音楽は、様々なセレモニーにぴったりでよく使われますが、ピアノで弾くなら「主よ、人の望みの喜びよ」がおすすめ。この曲も、もともとはオーケストラと合唱のための曲ですが、1723年にイギリスの女流ピアニスト、マイラ・ヘスによって編曲・初演され有名になって以来、さまざまなレベルの編曲譜が出版されています。
■聞いてみましょう!
J.S.バッハ(1685-1750)/ヘス編曲:主よ、人の望みの喜びよ
(ピアノ:中村純子)
動画:ptna
クリスマス・ツリーの響きとは?
クリスマスの雰囲気を盛り上げるのに欠かせないクリスマス・ツリー! 様々なオーナメントで華やかに飾られるツリーも、最近の家庭では生木ではなく、毎年使いまわせる人工素材で作られたものが主流となっていますが、本来クリスマス・ツリーには樅(もみ)の木が使われます。クリスマスのために作曲されたわけではありませんが、北欧を代表する作曲家シベリウスの作品に「樅の木」があります。静かな森林の中に凛としてそびえたつ立派な樅の木。オーナメントで飾られ華やかなイメージの樅の木とは違った、大地に根を張り堂々として威厳のある姿を思い浮かべながら過ごすクリスマスもなかなかロマンチックではないでしょうか。
■聞いてみましょう!
ジャン・シベリウス(1865-1957):「5つの小品(樹木の組曲)」より "樅の木"
(ピアノ:杉谷昭子)
動画:ptna
クリスマスを彩る!チャイコフスキーの音楽
ロシアを代表する作曲家チャイコフスキーが、雑誌社の依頼で毎月1曲ずつ、そのシーズンに合わせて作った曲をまとめた「四季」という組曲の"11月トロイカ"と"12月クリスマス"は、楽しいクリスマスの風景が目に浮かぶような曲想でこの時期にぴったり!ちょっと頑張れば中級レベルでも演奏できるので、クリスマスに照準を合わせ練習して一年のしめくくりをするのもいいかもしれません。■聞いてみましょう!
チャイコフスキー(1840-1893): 「四季」より"12月 クリスマス"
(ピアノ:イロナ・プルニ)
動画:NaxosInstrumentalClassics
チャイコフスキーの曲で、クリスマスにちなんだ曲といえばもうひとつ、組曲「くるみ割り人形」があります。クリスマスイブの出来事があらすじのバレエ音楽として、オーケストラで演奏するために作られた曲ですが、ピアノソロや連弾用に編曲され、ピアノのレパートリーとしても幅広いレベルで楽しめます。レベル別におすすめの楽譜をご紹介しますので、是非チャレンジしてみてください。
■弾いてみましょう!
【初級レベル】
音楽劇のような構成になっていて、ストーリーと曲の関係がわかりやすいだけでなく、カラフルな挿絵が場面をイメージする大きな助けとなります。クリスマスコンサートに最適なアレンジ。
ソロで楽しむならこちら。
▼やさしいピアノの絵本 くるみわり人形 連弾はこちらのバージョンで。
▼ピアノ絵本館 チャイコフスキー くるみわり人形[連弾](ピアノ絵本館(1)) 【中級~上級レベル】
原曲のオーケストラ譜に近い編曲で、ソロ演奏でも充実した響きを楽しめます。
▼チャイコフスキー くるみ割人形 全音ピアノライブラリー 連弾バージョンなら、更にダイナミックで迫力のある演奏に!
▼チャイコフスキー: くるみ割り人形組曲 Op.71a/シャーマー社/ピアノ連弾用(1台4手)編曲
次のページでは、映画から誕生した名曲など、クラシック音楽以外のクリスマスにちなんだ曲をご紹介します!