自己投資は大切だけど、本当に収入は上がるの?
家計を改善する方法として、「収入を上げる」、「支出を下げる」、「運用利回りを上げる」という、3つの対策が一般的に言われています。日々の無駄な出費を抑え、節約をすることで「支出を下げる」ことは大切ですが、「自己投資」のような、将来の収入アップに繋がる支出まで、節約していては、家計悪化のスパイラルに陥ってしまいます。
自己投資をすると年収は上がる?
ところで、「自己投資」は、本当に収入アップに繋がるのでしょうか? そんな疑問を持ちながら、いろいろ調べていると、興味深い調査結果を見つけました。それは、労働政策研究・研修機構が行った、「子育て世帯の追跡調査(第1回:2013年)」です。この調査では、自己啓発を行った母親グループと行わなかった母親グループが、前回調査時の収入と比較して、どのくらい変化したかを調査しています。調査結果は、下のグラフの通りで、自己啓発を行ったグループ(「上記のいずれか」の箇所を参照)の就業年収上昇は、36.7万円であったのに対し、自己啓発を行わなかったグループの年収上昇は15.8万円であることから、自己啓発をした母親グループの方が、しないグループよりも20万円強、収入が上昇したという結果でした。自己啓発をすると、収入アップに一定の効果があるといえます。
自己啓発の内容を「就職の準備に関する学習」、「語学の学習」、「パソコン・OAに関する学習」、「資格取得の学習」に分け、それぞれ、年収の変化を見てみましょう。
■「語学の学習」は、自己投資の効果が高い
「語学の学習」を行ったグループの年収は、前回の調査時と比較し、平均62.8万円上昇したという結果でした。さらに「語学の学習」を行わなかったグループと比較すると、年収の上昇額に44.9万円の差があり、「語学の学習」は、収入アップにつながる可能性が大きいという結果でした。
■「資格の取得」は、自己投資として効果は低い
一方で、「資格取得のための学習」を行ったグループの年収上昇は22.2万円で、行わなかったグループの年収上昇21.4万円と比較して、わずか0.8万円しかなく、自己投資の方法として、よく言われる「資格の取得」は、この調査においては、あまり効果は期待できないという、意外な結果でした。
>>自己投資の効果を期待できる資格もある!?