国宝は、日本人のデザイン原点
「日本の国宝」といわれる逸品が集合する大変貴重な展覧会が東京国立博物館で開催されています。開催するやいなや国内はもとより国外からの来場者で連日の大賑わいの展覧会。日本の国宝とは、ある意味「日本のデザイン原点」、「日本人なら一度は拝んでおかなければ!」と会場のある上野へ向かいました。
実は、日頃からデザイン学校で指導している学生達にも「日本の宝物を知る、知らなければならないよ!」との思いで引率しながらの見学。学生の中には中国、台湾、韓国からの留学生も数名います。
日本の文化と大陸の関係は、彼ら彼女らにも貴重な体験と勉強になると思ったのです。
上野公園を散歩しながら展覧会についてレクチャー、入場券を購入して入館すると目にした会場は、早朝にもかかわらず多くの見学者でいっぱいでした。
こころをつなぐ祈りのカタチ
展覧会のテーマは、「祈り」。会場では、仏や神と、人の心をつなぐ役割をになってきた絵画・彫刻・工芸・書籍・考古資料など約120点の国宝が五つの章で紹介されていました。・第一章「仏を信じる」
玉虫厨子 現存する飛鳥時代の日本最古の厨子。均整のとれた全体のバランスが素晴らしい。
・第二章「神を信じる」
土偶 珍しい土偶のカタチ。こんなにしっかりと土偶をみることはなかった。
・第三章「文学、記録にみる信仰」
金印 「漢倭奴国王」。教科書の中の金印の実物、美しく輝いて見えました。
・第四章「多様化する信仰と美」
秋冬山水図 雪舟の代表作。力強うさと儚さが静寂の空間に漂っていました。
・第五章「仏のすがた」
元興寺極楽坊五重小塔 高さ5m50cmの国宝の建造物。日本人の木に対する作りと思いに拍手。
驚愕の土偶に釘付け
中でも第二章の土偶は、とても珍しく、コレは必見ですね。あまりに感激したのでイラストを描いてみました。
この土偶は縄文時代(後期)、紀元前2000~前1000年の土偶です。青森県八戸風張(かざはり)遺跡からの出土したものです。手を合わせ何か祈っている姿からか、「合掌土偶」と明記されています。
この土偶、次のページでさらに掘り下げます。