男性と女性では、受け止め方が違います。男性と同じような指示命令の仕方だと、嫌われてしまうだけでなく、ヤル気をそいでしまうことも。女性に気持ちよく働いてもらうために知っておきたい、3つのポイントをご紹介します。
ポイントその1:無理強いや否定に聞こえない言い方に変換する
同じ内容でも伝え方によっては感情を刺激してしまうことがある
男性同士では特に気にならないかも知れませんが、否定されることが苦手な女性は少なくありません。仕事上のことだとわかっていても、無理を言われたり、自分の提案を聞いてもらえなかったりすると、人格を否定されたかのような気持ちになってしまうこともあります。
職場では無理なお願いをしなければならないシーンもあると思いますが、その場合には感情を刺激しないよう言い方に変換して伝えましょう。余計な摩擦を少なくできます。
【事例】早く帰りたい女性にギリギリまで仕事をしてほしい時
NG例:「予定があるのはわかるけど、責任持ってやるのはあたりまえだろ。少なくてもギリギリまでは頑張ってくれよ。」
改善例:「どうしても○○さんにお願いしたい仕事だけど、予定があるのはわかったよ。ギリギリまでやってみて。」
言っている内容は同じでも、印象がだいぶ違うのがおわかりいただけると思います。「女性に気を遣わなければならないのはおかしい」と思う方もいるかも知れませんが、女性との円滑なコミュニケーションは、例えば組織マネージメントの上でも欠かせないこと。このくらいで上手くいくのであれば、やらないほうが損です。
言い換えが難しいと感じる人は、「でも」という言葉と「~だけど」という言い回しを使わないで伝える練習から始めてみてください。否定の言葉を抜いて、やってほしいことを伝えるだけですが、否定のニュアンスを弱くできます。続けるうちに、摩擦の少ない伝え方のコツがわかるようになるはずです。
ポイントその2:結果だけでなくプロセスにも触れて伝える
男性と女性では褒めのポイントも違う
多くの人は成果を出すまでのプロセスも認めてもらいたいもの。ガイドの印象では、特に女性はそうしたプロセスを大事にする傾向にあります。
褒める場合は、成果だけでなく、どんな苦労や工夫があったのかに注目し、ねぎらいの言葉をかけるようにしてください。
成果が出せなかった場合も、そこだけに言及するのはNG.努力した部分については評価し、次回の具体的な努力目標を与えることで、女性は更に頑張れるのです。
【事例】営業目標を達成できなかった女性への指導
NG例:「今月も目標未達か。来月こそは気合を入れて頑張ってくれよ。」
改善例:「訪問件数を増やした努力はよかったと思うよ。来月は母数をあげることにこだわるよりも、決裁権のある人にどれだけアプローチできるか努力してみて。きっと君の根性だったら今度こそ結果に繋がるんじゃないか。」
気合や根性など抽象的な言葉を使うだけでは指導とはいえません。具体的にどこを頑張ればいいのか、具体的なポイントを伝えてください。よく「そのくらい自分で考えろ」という言葉を多用する人がいますが、その言葉の裏に指導を面倒だと思う気持ちはないでしょうか?本当に自分で考えてほしい場合は、考える時間を与え、方法を報告させた後にフィードバックをすればOKです。
これは男性部下にもいえることですが、特に女性はプロセスを承認する一言を加えないと不満がたまってしまうので注意が必要です。
ポイントその3:相談されてもいきなりアドバイスをしない
アドバイスの前に共感の一言を忘れずに
せっかく相手のためを思ってアドバイスをしてあげたのに、女性の機嫌が悪い……。そんな経験をしたことはありませんか?
相談されると、男性はついアドバイスや解決策を提示しがちですが、相手が女性の場合は気をつけて。ガイドの経験では次のような言葉が効果的です。まずは悩みに対して「それは大変だね」「辛かったね」といった共感ワードを伝えてから「こうしてみるのもいいんじゃない?」という選択肢を提案するようにしましょう。
共感をしないまま「それはこうするべきだよ」「じゃあ○○すればいいじゃないか」といった解決策を提示してしまうと、女性は「冷たい」「話をきいてくれていない」と感じて、不機嫌になってしまうことがあるからです。
【事例】リサーチに時間がかかってしまうという相談をされた時
NG例:「ただ闇雲にやっているんじゃ、時間がいくらあってもたりないよ。仮説を立ててからリサーチすればいいじゃないか。」
改善例:「そうか、今まで時間をかけて努力でカバーしてきたんだな。大変だったね。リサーチは、仮説を立ててから手をつけるのが一般的なんだ。具体的な方法としては○○と××があるけど、よかったら参考にしてみて。」
ガイドの印象では、女性は解決策が欲しいだけではなく、話を聞いてほしい、現状をわかってほしいと思って相談しています。そしてかなりの確率で、解決策やアドバイスなどいらないケースが存在するのが、男性の認識と違うところです。
「こうすればいいじゃないか」という想いをグっとこらえ、まずは話を聞く。認める言葉をかける。そして必要そうであれば、選択肢として提案をやんわり伝える。このステップを使えば好感度UP間違いなしです。この方法はプライベートでも有効ですので、ぜひ覚えておいてください。
職場では男性的な「指示命令」で仕事が進められることも多いのが現実。慣れない女性も多いでしょう。そんな女性ともうまくコミュニケーションが取れるというのは、職場の必須スキルになりつつあります。好感度もあがりますので、面倒だと思わずに、ぜひトライしてみてください。