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子世帯の住み方で、実家の相続税どう変わる?(2ページ目)

住宅資金相談にいらっしゃる方と話していると、「自分たちでマイホームを取得する予定だけど、実家の家もそろそろリフォームや建て替えの時期である」という方が多くいらっしゃいます。通勤に便利なエリアに実家がある方などは、子世帯が親世帯と同居をすることなどで、実家の相続税が変わる可能性があります。今回は、子世帯の住み方と実家の相続税評価について解説します。

平野 直子

執筆者:平野 直子

ふたりで学ぶマネー術ガイド

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子世帯の住まい方で、相続税が大幅に変わる!?

うちもそろそろマイホーム欲しいけど、将来実家で同居する場合は、どうなんだろう?undefined

うちもそろそろマイホーム欲しいけど、将来実家で同居する場合は、どうなんだろう? 

p.1で、特定居住用宅地等として相続税評価額が80%減額されるためには、いくつか条件を満たす必要があると紹介しました。その条件の1つに、「相続で自宅を引き継ぐ子世帯が、相続開始以前3年以内にマイホームを持っていないこと」という条件があります。以下に事例で解説します。(イメージをしやすいように、ケースA、Bともに、実家の宅地の評価額を1億円と仮定します。)

●ケースA
1人息子のAさんは、結婚後独立してマイホームを持ち、家族と住んでいるため、Aさんの母親は実家で1人暮らしをしています(父親は、数年前に他界)。ここで母親が亡くなった場合、Aさんが、相続発生前3年以内に持ち家があり、実家に住んでいない状態なので、特定居住用宅地の適用を受けることができません。そのため、遺産総額に算入する土地の相続税評価額は、1億円となります。
ガイド平野が図表作成

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●ケースB
1人息子のBさんは、実家で家族と母親と同居しています(父親は、数年前に他界)。母親が亡くなった後も、Bさん一家がこの家に住み続ける場合、特定居住用宅地等として80%の評価減を受けることができます。そのため、遺産総額に算入する土地の相続税評価額は、2千万円となります。
ガイド平野が図表作成

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このように、子世帯がマイホームを持っている場合と、同居をしている場合とで、実家の相続税評価が大きく変わることになります。ある方は、自分達家族のマイホーム資金の相談にいらっしゃいましたが、この話をしたところ、ご実家の状況に心当たりがあるということで、「実家の建て替えについて、両親に相談してみます。」とおっしゃっていました。同居する子ども以外に兄弟がいる場合は、資産の分配方法についても考慮する必要がありますが、親世帯・子世帯のニーズが合っている場合は、二世帯同居を検討してみるのもよいでしょう。

>>同居でも80%減額にならないケース、別居でも80%減額になるケースがある!?
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