いじめ問題・対策/いじめを学校に相談するときの注意点

いじめられた子が学校に行きたくないと言った場合

いじめられている子供が「学校に行きたくない」といった場合、親はどう対応したらよいでしょうか。今のいじめは「犯罪」に近いものがあります。命の危険もあるので、無理に行かせる必要はありません。代替方法、再登校の場合のプロセスについてご紹介いたします。

小野田 真里子

執筆者:小野田 真里子

いじめ問題・対策ガイド

子供の願いは『いじめの状態』がなくなること

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子供たちの願いはいじめがなくなることです

いじめ防止活動を通じて、子供たちと話すたびに感じるのが、子供の願いは「現在、自分の身に起きているいじめの状態がなくなること」だということです。いじめ防止対策推進法などで、スクールカウンセラー等を増員していますが、スクールカウンセラーは、子供を受容し話を聞くことが主な役割で、目の前のいじめが必ず解決するわけではありません。ですから、いじめられている子供が「どうしても学校に行きたくない」と言うのなら、いじめからの一時避難として学校を休むことも認めてあげた方がよいと思います。

学校は、子供が一人前の大人になるための力をつける場所ですが、現在のいじめは大人の社会でいえば犯罪レベルであることも多いので、無理に行かせる必要はありません。学力等が心配であるならば、今の日本では下記のように学校以外の学ぶ場所を選択することができます。

学校以外の学ぶ場所~義務教育が終了している場合~

など、本人との相性や環境を考えて選択することができます。

学校以外の学ぶ場所~義務教育期間中~

義務教育期間中は、塾やフリースクールで学び高校受験に備えることができます。高校出願時に、出席日数について説明を必要とするところもありますので事前に高校説明会等に参加して調べましょう。

また、「いじめ」が原因であると校長先生が認めてくれれば、教育委員会に申し出て転校をすることも可能です。

再登校の可能性がある場合も一時避難は必要

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いじめから逃げることは卑怯ではない

いずれにせよ、無理をしていじめに耐える必要はありません。きちんといじめ解決を学校に訴え対応してもらうのが、望ましい方法ではありますが、身の危険、精神的に耐えられない状況で、子供が「学校に行きたくない」というのであれば避難することも考えましょう。いじめから逃げることは、けっして卑怯なことではありません。一番大切なことは「親はいつでも子供の味方である」というスタンスを取り続けることです。また、再登校のためには、「安定させる」→「エネルギーを充電させる」→「挑戦させる」という3つのステップが必要なのです。

  • 「安定させる」とは、不安で揺れる子供の気持ちを安定させることです。そのためには、ジャッジせずに、「ありのままを受け入れる」ことが大切です。
  • 「エネルギーを充電させる」とは、消耗された心のエネルギーを充電することで、「子供の意欲を認めること」、「子供のやることを理解し支持すること」です。
  • 「挑戦させる」とは、再登校に向けて一歩を踏み出すことです。いずれにせよ、いじめられている状態から離れることが必要なのです。

「学校に行かない」という選択をすると、年配の親族からは「子供のためにならない」「辛さを乗り越えることも大事だ」という苦言があるかもしれません。現代のいじめ事情を知らない場合、子供の将来の事を考えてだということだけは理解して、しっかりと現代のいじめについて話し合い、子供の声に耳を傾けてあげましょう。
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