さっそく、写真を見ながら解説していきましょう。
「子どもの誕生日会」をイメージしたあかり
家族でお子さん(娘さん)の誕生日を祝うというシーンに合わせた演出です。夕食後にケーキを食べながら楽しい家族団らんといったイメージが伝わってくると思います。娘さんらしい、ピンクと白を中心としたコーディネートがかわいらしく、楽しい雰囲気を醸し出しています。照明器具は、ダイニングテーブルの上のケーキに光があたるように調整しています。主たる照明は、ダイニングテーブル上の3つのペンダント照明。真ん中のペンダントライトは、普段の食事ではメインディッシュが置かれるであろう位置を照らすことで、おいしさをより引き立たせるようにしています。「ひとつはスタイリッシュなデザインのペンダントライト、後の2つはフェルト地の傘の照明器具にして、温かみのある家族らしい風景をつくり出しました」と、コーディネートを担当した土橋さん。
テーブル上のペンダントライトは、決してひとつにしなければならないというものではありません。テイストの違う照明器具を組み合わせてインテリアを楽しむのもアイデアです。そういった意味では、たとえばダイニングチェアも、4脚同じものを揃えるのではなく、マイチェアとして家族一人ひとりがそれぞれお気に入りのデザインの椅子を組み合わせるというのも素敵かもしれません。
小さな子どもが主役の場合は暗くなり過ぎないように
以前の記事「LEDの色・あかりにはどんな種類がある?」でも触れましたが、省エネで光熱費が気にならないLED照明は「多灯分散」に向いています。あかりで部屋を演出するといっても、小さなお子さんがいる家庭では、暗くなり過ぎないようにすることも大切です。土橋さんいわく「特に5歳以下の小さなお子さんは、とかく暗がりを怖がるものです。中でも、部屋の隅が暗いと怖いと感じることが多いので、部屋のコーナーに照明を配置しました」と、小さなお子さんに配慮した演出になっています。
また、ペンダントライトを移動可能なダクトレールに取り付け、リモコンでON/OFFができるようにしています。着座したまま照明のスイッチの操作ができるので、ケーキのろうそくを消す際にも便利ですね。照明のスイッチを消すためにお母さんが離れて、お子さんが怖がることもないでしょう。
オープンキッチンは作業性とインテリア性を両立させて
ダイニングとつながったオープンキッチンでは、インテリアを損なわないデザイン性のある照明器具を選んでみましょう。とはいえ、包丁や火を使う場所なので安全性も考え、調理をするために十分な明るさが得られなければなりません。今回、設置したペンダント型のLED照明器具は、デザインに特徴があるだけでなく、光が広範囲に拡散するタイプです。簡易式のダクトレールに照明器具を取り付けているので、適切な位置に照明器具を移動させることも可能です。次ページでは、映画などを楽しむシーンを想定したリビングのあかりコーディネートをお見せしましょう>>