これからの刑事ドラマと映画
映画化は魅力的ですが課題も多いことを考えてきました。課題は多いものの挑戦こそが映画化に対する視聴者のニーズ。ウィルステロや交渉術などブームに乗っかるではなくブームを創造する映画を期待したいと思います。■ドラマでは追いつけない 『MOZU』
『MOZU Season1~百舌の叫ぶ夜~』2014年4月~6月 TBS系列にて放送
『MOZU Season2~幻の翼~』2014年6月~7月 WOWOWにて放送 2014年10月~11月TBS系列にて放送
2015年 映画の公開が発表されましたが、確かにテレビでは収まらないと感じる人も多いのではないでしょうか。一度見逃すと、予習復習なしでは理解が難しい作品なので、映画館で集中して見る方が自然と言えそうです。
時代を意識した迫力ある作品や話題作を輩出しているROBOTも制作に加わっている『MOZU』。監督の羽住英一郎(ROBOT映画部所属)率いる羽住組の現場は、情熱とエネルギーに満ち 生き生きしています。試行錯誤を惜しむことなく繰り返し、ドラマの概念を越えた新しい作品に挑む勇ましさに好感が持てます。
Season1.2ともに、テレビドラマにも関わらず機材や編集も映画のスケールで、細部にまでこだわった演出にも作品への強い思いを感じました。映画で何を仕掛けてくるのか、楽しみでしかたありません。
凶暴で冷酷な殺人鬼を演じた吉田剛太郎、様々な乗り物で登場する知能犯には長谷川博己、内部処理を最優先する腹の底が読めない刑事 津城俊輔を小日向文世、不死身の逃走犯 新谷和彦を演じた池松壮亮など 俳優たちの非情で濃厚な演技も魅力です。新たに登場するであろう人物が、どこまで振り切った演技を見せてくれるのか、今からゾクゾクしています。
作品に何を求めるかは、ひとそれぞれでいい
ドラマや映画に何を求めるかは一人ひとり違います。『こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE ~勝どき橋を封鎖せよ!~』や『コドモ警察』(刑事ドラマと言うべきかちょっと躊躇しますが)は、タイトルや出演者から、見てみたい気持ちが沸き上がります。何と言っても、子どもたちの「アハハハ」が聞こえる映画は 価値ある作品なのです。
映画館に行くということは、テレビを見ることとは違います。電車に乗り、ごはんを食べ、映画の感想を語り合う。子どもたちにとっては特別なイベントですし、ご年配のご夫婦にとっては「あら、相棒が映画になるのね」と二人そろって外出する素敵な時間です。ドラマにはない”映画に付随するいろいろ”も映画の大事な要素。誰かの☆の数より、自分自身が楽しめたかどうかが重要と言えそうです。