こまったサンタの実例集―本当に『あんたがサンタ?』

これまで、たくさんの絵本がサンタクロースを描いてきました。最近では、絵本にもより人間的なサンタクロースが登場し、ちょい悪サンタなども活躍の場を得ていたのですが……。あ~あ、ついに姿を現しちゃいました。「こんなサンタは絶対嫌だ!」と目をそらさずにはいられない変人サンタの面々。絵本『あんたがサンタ?』では、『ねむいねむいねずみのクリスマス』などでおなじみの佐々木マキさんが困ったサンタの困った言動に迫ります。

思わず追いかえしたくなるサンタクロース、ここに集結!

『あんたがサンタ?』の表紙画像

サンタクロースのイメージを根底から覆す笑撃絵本?!

『あんたがサンタ?』という絵本には、ストーリーはありません。ただ、ちょっと変わり者のサンタクロースの言動が集められているだけです。でも、その変人度が並大抵ではありません。

例えば表紙のサンタは、ぐっすり眠る良い子の顔に落書きをしていますが、他にも……
  • 日にちを間違えて、ハロウィンに来ちゃったサンタ
  • 酒場に立ち寄って、酔っぱらっちゃったサンタ with トナカイ
  • スーパーマンと鉄人28号と鉄腕アトムをたして3で割ったような(?)ヒーロー「スーパー鉄人アトム」とむきになって競争するサンタ
等々、良い子の皆さんには紹介したくないサンタクロースが次から次へと登場します。まさに、聖人サンタクロースのイメージを根底から覆す絵本と言えますね。でも、「そんなふざけた絵本を子どもに見せるわけにはいきません!」と決めつけるのは早計です。

サンタクロースのイメージ写真

このサンタも、実は酔っていたりして……

作者の佐々木マキさん特有の少し眠そうな目をしたサンタクロースは、赤と黒のたった2色で描かれていますが、一筆書きかと見まごうような潔い筆運びが功を奏して存在感が抜群で、静かな雪景色の中でぐぐっと浮かび上がってきます。カッと見開いた時の目は真っ直ぐに前を見つめ、万人に愛されるサンタクロースとしての威厳を保っています。(まあ、そうでないことの方が多いのですけど……)

そんな佐々木マキさんの絵を見ていると、「聖人サンタだけでなく、色々なサンタクロースがいるのも面白いじゃないか」と思えてきます。クリスマスには、佐々木マキさんならではのユーモアを感じながら、「こんなサンタはうちに来ないで~。」と家族みんなで盛り上がるのも楽しそうですね。でも、知人宅のAくんは、この絵本を読んで「やっぱりサンタはお父さんに違いない!」と確信したそうですから、その点だけはご注意ください?!


【書籍DATA】
佐々木マキ:作
価格:1296円
出版社:絵本館
推奨年齢:4歳くらいから大人まで
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