「テージョ川の貴婦人」ベレンの塔
空の青と白大理石が見事に調和したベレンの塔。正式名称はサン・ヴィセンテ砦。ジェロニモス修道院の南西約1kmにある。塔の高さは32m
ベレンの塔の堡塁。放射状に窓が取り付けられており、大砲が備え付けられている
もともとこの塔はベレンの港を守る監視砦として建てられたもので、ヴァスコ・ダ・ガマをはじめ多くの航海士たちがここから旅立った。堡塁の2階部分にはぐるりと放射状に砲台が備え付けられており、テージョ川と9km先に広がる大西洋に睨みを利かせている。
ベレンの塔。塔から堡塁を見下ろす
白い塔が夕陽に焼ける様はなんとも美しく、太陽が沈んだあと、ほの暗い海に浮かび上がるライトアップされた塔の姿もロマンチック。
塔の周辺は公園として開放されているので、地元の人々もしばしばピクニックに訪れる。世界遺産の側で海と川を眺めながらゆったりとした時間を過ごせるとてもぜいたくな空間だ。
新観光名所「発見のモニュメント」
船の形を象った発見のモニュメント。その下の波紋はリスボン市内やマラッカなどでよく見かけるポルトガルの象徴的な紋様だ
発見のモニュメント、東面。先頭(いちばん左)に立っているのがエンリケ航海王子だ
ジェロニモス修道院の南500m、ベレンの塔の東約1kmにある記念碑で、帆船をイメージした高さ52mの碑に海上帝国ポルトガルを支えた英雄たちが描かれている。
碑の先頭を飾っているのがエンリケ航海王子。そして東面にバルトロメウ・ディアスやヴァスコ・ダ・ガマ、カブラル、マゼラン、フランシスコ・ザビエルら16名、西面に詩人ルイス・デ・カモンイスら15名、計32名の像が彫られている。
ポルトガルのエッグタルト、パステル・デ・ナタ。パステル・デ・ベレンのこの菓子は、ジェロニモス修道院の修道士たちから伝わった秘伝のレシピを守り続けているという ©Jpatokal
近くにはリスボン名物・エッグタルト(パステル・デ・ナタ)の名店、パステル・デ・ベレンもある。ジェロニモス修道院の修道女たちが発明したというこのお菓子を買い込んで、ゆったりとした時間を過ごしてほしい。