各所で話題沸騰
蜷川幸雄氏のエッセイ「演出家の独り言」
朝日新聞デジタルに掲載された蜷川幸雄氏のエッセイ『演出家の独り言・イケメン俳優人気への憂い』が各所で大きな話題を呼んでいます。内容は表題そのまま、昨今演劇界にも大量に進出してきた”イケメン俳優”と彼らの人気への憂いを語ったものなのですが、このエッセイを読んだ観劇女子やイケメン俳優推しの女性達からは辛辣なご意見も噴出している模様。曰く「チェーホフや三島を読んでいない事がそんなに悪いのか」 「真面目に稽古をする事こそ大事」 「サイボーグなんて超失礼」などなど。
うーん、気持ちは分かる、分かります。私だって自分が応援している俳優さんを”サイボーグ”や”マネキン”という単語で一括りにされたら悲しいし腹立たしい。相手が「世界のニナガワ」であることを忘れて斜め上から灰皿ブーメランを飛ばしてしまいそうです。
蜷川氏が定義する”イケメン俳優”とは
どうやらこの文章は蜷川さんが「オールメールシリーズ」=出演者が全員男性の某演出作品の稽古場で感じた事らしいのですが、ここで蜷川さんが定義する”イケメン俳優”とは「顔の綺麗さを過信して内面を鍛える努力をしていない若手男性俳優」のこと。「外見の美しさに加え、自分の武器を常に磨いている若手俳優」はこの限りではありません。まあそうですよね、だって蜷川さんが演出する舞台の85%は”イケメン”が主役。藤原竜也さん、小栗旬さん、岡田准一さん、森田剛さん、松本潤さん、二宮和也さん、勝地涼さん、成宮寛貴さん、綾野剛さん、そして先日シアターコクーンの『皆既食』で初舞台を飾った岡田将生さん……皆イケメン。ただ彼らは表現者として唯一無二の存在である訳で、ここに蜷川さんが定義する”イケメン俳優”との決定的な違いがある訳です。
では何故蜷川さんは”イケメン俳優”に対してネガティブとも取れる印象を口にしたのでしょうか。
⇒ そんな蜷川さんも実は昔……(次ページ)