ヴァンショーで冬のフランスを味わおう
ヴァンショー(vin chaud)は英語にするとホットワイン(vin = wine、chaud = hot)。熱いワインにオレンジやシナモン、砂糖を入れた飲み物です。レシピや材料の多少の違いはありますが、ヨーロッパでは広く親しまれており、グロッグと呼ぶところもあります。フランスでは冬の飲み物として、自宅で作ったり、カフェやマルシェで飲んだります。持ち手のついたグラスで飲むのが定番です。体が芯から温まるヴァンショーで、寒くて暗いヨーロッパの冬もあったかく過ごしましょう。自宅で簡単! ヴァンショーの作り方
ヴァンショーのレシピは至ってシンプルなので、フランスの家庭ではよく作られます。ただ、各家庭や地方、国によって若干の材料やレシピの違いがあり、フランスではクリスマスの時にスペシャルなヴァンショーを作る家庭もあります。基本的な材料は赤ワイン、砂糖、オレンジ、シナモンの4つ。これらは必須です。これにブランデー、白ワイン、レモンなどの柑橘系フルーツ、生姜、アニスやクローブなどのスパイスを加えることもあり、より複雑で深みのある味わいになります。さらにアルコールに弱い人のために水を加えたり、5から10種類ほどのスパイスを使ったりと、レシピは星の数ほど存在します。フランスのヴァンショーは基本的にとても甘く作られるので、苦手な人は砂糖の量を少なめにするなどの工夫が必要です。
基本的な作り方は、赤ワインを沸騰させずに軽く煮たつまで熱し、砂糖、輪切りにしたオレンジ、シナモンを加え、そのままの状態で中火で1、2分熱したらできあがり。オレンジは取り除くもよし、そのまま入れて食べたりしてもよしです。
外で手軽にヴァンショーを飲む
フランスのヴァンショーは基本的には冬限定の飲み物です。一番手軽なのは、カフェ。カフェでは、取手がついていたり、麻のスリーブがついているガラスのカップに入れられてサーブされます。透明のカーテンが降りたテラス席で、フーフーいいながらヴァンショーを飲んでいるパリジャン・パリジェンヌを見かけるようになると、「冬になったなぁ」と実感します。それから、クリスマスの時期になるとパリや地方各地で登場するクリスマス市、マルシェドノエルでも必ずヴァンショーのお店が出ます。外で歩きながらのショッピングは体が冷えてしまいがちですが、ヴァンショーを飲むと体が温まり、快適です。
ヴァンショーは前述の通り、レシピもさまざまで、色々な味があります。甘くて飲み口が良いので、ついつい飲み過ぎてしまうことも。お酒に弱い人は、一気に飲み干さないように少しずつ飲むことをおススメします。