「睡眠」とは何かと聞かれると、即座に答えられる人は少ないかもしれません。現代の脳科学によると、睡眠とは脳の進化とともに大きく発達した大脳をうまく休ませる機能のことで、数多くの生理活動に支えられた脳を含めた体の機能を維持するための行動であるとしています。

とりわけ、発達した大脳をもつ私たち人間にとっては、睡眠のクオリティーが生活自体のクオリティーを左右するので、「よりよく生きる」ことはとりもなおさず「よりよく眠る」ことになるのでしょう。

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効果的な睡眠は心身ともにリフレッシュしてくれる.。


レム睡眠とノンレム睡眠

レム睡眠とは、急速眼球運動(rapid eye movementの頭文字 REM からレム)を伴う睡眠のことで、閉じたまぶたの下で眼球がきょろきょろ動く眠りの状態です。体は寝ていても脳は覚醒に近い状態になっていて、夢を見ていることが多い眠りです。

ノンレム睡眠とは、レム睡眠でない眠りという意味で、体をほとんど動かさずぐっすり熟睡している状態のことです。もともと古い型の眠りで、魚類や両生類などの変温動物の眠りと共通するものであると考えられています。筋肉を緩ませ体温を下げ、意識レベルを最も下げるので天敵から襲われる危険を伴う”命がけ”の行為でもあったわけです。

これに対して、哺乳類や鳥類などの恒温動物に特有なのがレム睡眠です。恒温動物がノンレム睡眠だけを行った場合、高度化した脳機能の停止時間が長すぎ、体温も低下しすぎてしまいます。レム睡眠の最も重要な役割は、意識水準や体温を下げてしまうノンレム睡眠と、まったく逆の性質をもつ目覚め(覚醒)との調整役をすることにあります。

それぞれの役割をひとくちで言えば、ノンレム睡眠は大脳を休ませ回復させる眠り、レム睡眠は大脳をノンレム睡眠の状態から目覚めさせる眠りであると言えるでしょう。


気持ちよく目覚めるために

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気持ちよい目覚めは睡眠パターンと密接な関係がある。

健康な人では、ノンレム睡眠とレム睡眠の2種類の眠りが、約1.5時間の単位でいくつかまとまり、一回の睡眠となっています。最初の2単位(寝つき後すぐの約3時間)に、質のよい熟睡(深いノンレム睡眠)がまとめて出現します。 以後は、浅いノンレム睡眠とレム睡眠の組み合わせとなります。そして、各単位の終了時ごとに目覚めやすくなるので、寝つき後からおおよそ4.5時間、6時間、7.5時間後に起きるようにすれば、目覚めの気分もよいことになります。


年齢と睡眠

睡眠の質と量は年齢に大きく依存します。赤ちゃんは睡眠の総量が多く、昼夜にわたって小刻みにくりかえされます。幼児期になると睡眠に昼夜リズムができ、昼寝が少なくなって夜に連続した長い眠りが出現し始めます。

思春期から成人期にかけては、睡眠は社会的文化的に管理されるようになり、睡眠総量は減少する傾向を示しますが、個人差も大きくなります。中高齢期の睡眠は加齢とともに進行する質の劣化が特徴となります。劣化とは、睡眠時刻のずれ、深いノンレム睡眠の減少、中途覚醒の増加による分断化、昼寝や居眠りの出現などです。


睡眠の多様性

動物たちはヒトのように連続して長く覚醒し続けたり、連続して長く眠りつづけることはなく、1日に何回も眠るパターン(多相性睡眠)を採用しています。ただ、人間では学校や職場の時間割りに拘束されてるため、自然のままではなく加工されたものなのです。本来は人間の睡眠も本来多様性に富むもので、自分なりに工夫して快眠法を開発できる可能性があります。様々な生活パターンに合わせた理想的な睡眠を実行できる素質や能力をもっているはずです。


睡眠の見える化

オムロンの「睡眠計 HSL-101」は一種のレーダーです。寝ている人の動きを、人体に安全な微弱電波を使って記録するタイプです。人は眠りが浅い(レム睡眠)時は、寝返りを打ったり、布団を蹴飛ばしたり、動きが激しくなります。それに対して眠りが深い(ノンレム睡眠)時は、体がほとんど動きません。睡眠中の動きをとらえることで、レム睡眠とノンレム睡眠の周期が分かります。

タニタの「スリープスキャン・SL-504」は、寝具の下に敷いて使います。センサーマットが睡眠中の呼吸や脈拍、体動を感知し、それらをもとに、睡眠の深さやリズムをグラフで表示してくれます。

良い睡眠をとるために、自分の睡眠を手軽に測ることも大切ではないでしょうか。


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■参考資料
  • 睡眠の基礎:日本睡眠学会 第4回「睡眠科学・医療専門研修」セミナー

 

 



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