目の前の事と将来の事
目先の条件、環境は将来の為に活かす事が重要。将来の自分をイメージしながら就職先を考えてみましょう。
現在の条件や環境だけで決めず、将来を考えて行動する
これまでの就職先選びは、今の自分に対してどれだけの利益があるか?ばかりを考える傾向にありました。無論、当然の話です。しかし、年功序列や定期昇給が崩壊した今、職場だけに将来を委ねるのではなく、その就職先で自分は何を学び、培ったキャリアを自分の将来にどうつなげるのか?をしっかり見据えておかないと、必要とされる理学療法士になるのは難しいでしょう。単純に、家から近い、給料が良い、休みが多いなど、これら多くの要素は確かに生活をする上で重要です。しかし、その条件や環境を生かして将来どうなるのか?これを考えないで就職先を決めると自身の成長、そして目標や夢に対し大きなブレーキをかけてしまう可能性もあります。とは言っても実際のところ、具体的な事例がないとイメージしづらいかもしれません。そこで私が就職先を決める時に考えた事を含め、いくつかの実例をご案内いたします。
就職先の決め方を実例に学ぶ
実例1:私の例ですが、私は就職を決める際、”残業がない事”と”休みの融通がきく事”を第一に就職先を考えました。その理由は、学生時代の頃から理学療法士として働くのはもちろんですが、それと並行し将来的には、理学療法士の仕事やリハビリテーションの必要性についてもっと世の中に発信したいと思っていたからです。その為には、業務外の時間も大切になる。そう考え、先に挙げた2つの条件を念頭に置きました。結果、本業である理学療法士の勉強会へ参加もできていますし、ブログやSNSでの地道な発信が実を結び、こういった場で記事を書く仕事に結びついています。実例2:ある友人の話になります。その友人は、”日祝休み”と”有休が取りやすい事”を念頭に就職先を決めました。理由として、当時から、デイサービスなどの介護保険分野での起業を考えていたらしく、技術的にもビジネス的にも多くの自己研鑚を積みたいと考え、主に日祝に開催される勉強会、講習会への参加、他職種との接点を持てる場への出席を重視した為とのことでした。有休が取りやすいと、突発的な勉強会などにも対応しやすいようです。友人の夢はまだ実現には至っていませんが、そう遠い夢ではないと思います。
実例3:特にスポーツ分野への夢をお持ちの方にいえるのですが、スポーツ関係の就職先は実際のところ、新卒ではほぼ皆無です。しかし、そこで諦められるでしょうか?夢をしっかりお持ちの方なら、先を見据えて給与が高い職場で得たお金を使って勉強する。休みが多い職場に務めて、休日はスポーツ分野へボランティアに行く。家から近い職場に務めることで通勤時間を短縮し、スポーツ関係の時間に充てるなど、少なからず現状からできることをコツコツとしていくものだと思います。こういったことを自分なりに考えて、行動された先生が「JARTA:日本アスリートリハビリテーショントレーナー協会」という団体を立ち上げています。多くのオリンピック選手やプロスポーツ選手をサポートするこのJARTAですが、代表の先生は元々、一般病院や老健でも理学療法士として務められた方です。まさに働きながらその環境の中で活動し、自己実現を果たされた例といえます。
なりたい自分を大切に
いくつか実例を挙げさせて頂きましたが、将来設計を元に先を考えながら就職先を決めるという事が、少しおわかりいただけたでしょうか?無論、最初の就職先のキャリアプランを大事にする選択も自分次第ですし、先に挙げた3番目の実例のように、複数のキャリアを重ねて自分で新しい環境を生み出すことを見据えるのも重要な事です。大切なのは目先の条件ばかりにとらわれて、なりたい自分を見失わない事。これを頭の片隅に入れて、就職先を決められたらよいのではないでしょうか。