本記事では「介護支援分野」、「保険医療サービス分野」、「福祉サービス分野」の各分野について総評を行い、最後に全体の総評をまとめています。また、分野ごとに解答予想をし、各問題についての考察を交えてみました。
介護支援分野についての総評
要介護認定についての出題が続いていたのが特徴的です。その他、出題傾向は例年どおりでしたので、過去問をしっかりと解いていれば介護支援分野は安定して点数をとれたのではないでしょうか。正答率7割というと18問は正解したいところです。逆に考えると7問程度はミスをしてもぎりぎり許容範囲であるともいえます。来年度以降の試験範囲や出題傾向が分かりませんが、今年度に関して言えば、順当な出題であったと思います。介護支援分野の難易度については特に変わりません。出題範囲や傾向も例年どおりとなっています。ただ、問題の難易度から合格基準点の補正が入る可能性もあります。正答率が高い場合は合格基準点が引き上げられ、7割の正答率をもってしても不合格となる場合もあり得るので理解しておいてください。
介護支援分野の解答予想
問20については疑義のある問題でしたが最終的な解答予想とします。各問題の考察(問1~問13)
■問1第17回ケアマネ試験
市町村介護保険事業計画についての問題です。ここ数年では平成21年と平成25年に出題されています。特に平成25年度の試験問題と類似していて、去年受験した方には答えやすかったのではないでしょうか。難易度は高くありません。
■問2
サービス情報の公表制度についての問題です。出題頻度が高く、多くの方が理解されていたのではないでしょうか。これも難易度は高くありません。強いて言えば「報告内容の調査事業は、都道府県の附属調査機関が行わなければならない。」という問題はケアレスミスを起こしやすいといえます。
■問3
財政安定化基金についての問題です。出題頻度は低いのですが、問題の中に含まれることがあり、難易度は高くないと思います。財源に第2号被保険者の保険料も充当するといった部分は理解していないと難しい問題だったかもしれません。
■問4
介護保険審査会についての問題です。出題頻度は普通です。ただし、介護認定審査会と交えて出題されることが多く、理解しやすい問題といえます。
■問5
介護保険財政についての問題です。出題頻度は普通です。例年同様の出題内容ですので、過去問をしっかりと解いていればクリアできます。
■問6
地域密着型介護予防サービスについての問題です。介護支援分野は介護予防支援や居宅介護支援の問題が多く、地域密着型介護予防サービスを入れてくるのはレアだと思います。ケアレスミスに注意すればクリアできます。
■問7
指定居宅サービス事業の基準についての問題です。少しややこしい問題です。「指定通所リハビリテーションには、利用定員が定められている。」について、確認ができませんでした。この言い回しで悩まれた方もいるのではないでしょうか。
■問8
基準該当サービスについての問題です。近年出題されなかった問題です。基準該当サービスと介護予防サービスが混同しがちですが、消去法から正解を導くことができます。
■問9
介護保険の利用者負担に係る低所得者対策についての問題です。出題頻度は低いです。現役のケアマネジャーであれば優しい問題ですが、実務に就いていないと難しい問題と思います。
■問10
介護給付の種類についての問題です。個人的には難易度が高く、解答に時間がかかりました。
■問11
保険給付についての問題です。出題頻度が低いので過去問を解いただけだと難易度が高い問題です。法定代理受領の理解があれば問題ないでしょう。
■問12
区分支給限度基準額が適用されるサービスについての問題です。出題頻度は普通です。この問題は現役のケアマネジャーならボーナス問題となります。
■問13
要介護認定についての問題です。出題頻度は高いのですが、問題の内容はうまく重複しないようになっています。問題集に出ていたかどうかで正答率に差が出る問題です。
次のページでは介護支援分野の後半(問14~問25)について考察します。