中学受験直前!追い込み期を親子でどう乗り越えるか
追い込み期間である中学受験直前の1月は不安が募るもの……親子で乗り越えるには?
過去問題をやってもなかなか合格最低ラインを越えなかったり、相変わらず計算問題でケアレスミスをしたり、塾から帰ってくればボーっとテレビを見たりしていっこうにエンジンのかかる様子のないわが子を見ていると、保護者の皆さんとしては気が気じゃないでしょう。つい、些細なことで必要以上に叱りつけたり、イライラが爆発いるのではないでしょうか。
今日はそんな保護者の皆さんの不安を解消するために、直前期の1月を保護者としてどんな風に過ごしたらよいかについて、具体的にお話ししてまいります。この記事を読んで、皆さんの気持ちが少しでも楽になり、穏やかな心で入試本番を迎えていただけたら嬉しいです。
中学受験直前やるべきこと1. 勉強はこれまでのペースを守る
入試直前に成績が伸び悩んでいたり合格点に足りていなかったりすると、保護者の皆さんは焦って「家庭教師をつけなきゃ」とか「睡眠時間を削って勉強させないと」とか「新しい問題集を買ってこなきゃ」と、子どもにさらに負荷をかけようとします。もちろんお子さんの心血が充実していて疲れ知らずの「無双状態」に入っているのであればそれもアリだとは思いますが、中学受験直前期にペース配分を間違えると、かえって調子を崩してしまうこともあります。大切なことは受験勉強の「量的補完」ではなく「質的補完」を目指すということです。勉強を大量にやらせるのではなく、弱点単元を集中的に学習し直しさえすれば、成績は必ず上がります。この大原則を忘れずに「積み上げ型学習」ではなく、「ピンポイント学習」を心がけてください。これまで受けた模試の成績表をもう一度チェックし直して、どこで失点しているのかをしっかりと分析しましょう。
そうはいっても「今のままでは志望校に合格できなさそうで、どうしたらいいの?」そう思われる方もいらっしゃることと思います。お子さんがこれまでずっと努力してきた場合、逆に少し脳を休ませて息抜きさせることで力を発揮できるようになる場合もあります。「押してもだめなら引いてみな」という先人の言葉もありますので、思い切って休養を取り入れてみてください。
逆に、ここまであまり勉強に精を出して来なかった子に対しては、残りあと一ヶ月ですから、もう少し負荷をかけてみるのもアリかもしれません。
中学受験直前やるべきこと2. 併願作戦の練り直しをする
このままでは全部落ちてしまうかも知れない、という不安をお持ちの方も多いはず。これは是非中学受験生をお持ちの保護者の皆様に覚えておいて欲しい数値なのですが、実際に全受験生の6%くらいは「全落ち」となってしまいます。100人いたら6人が「受験した学校を全部落ちてしまう」ということなのです。ある大手塾では、全落ち率はなんと10%にも達します。中学受験というものは大変に厳しい世界なのです。そしてもう一つ忘れてはいけない数字があります。それは「第一志望の合格率」です。全受験生のうち第一志望に合格していく割合は16%程度と言われているのです。6人中5人は第一志望には進学できないということですね。この数字は、保護者の皆さんが想像するものよりもはるかに小さい数字なのではないでしょうか。大手塾の中でもこの数値はバラツキがあり、誰もが知る有名大手塾の中には、この数値を下回る塾もあります。派手な合格実績に目を奪われがちですが、現実は本当に残酷なものです。
親心として「少しでもいい学校に合格してもらいたい」と思うのは無理からぬこと。しかし一方で、「全落ち」の危機を回避するには、子どもの実力をしっかりと見極めた作戦が必要となってきます。第一志望は初志貫徹でチャレンジするのでももちろん構いません。であるならやはり「行かせてもよい次善校」を選定していただくのがよいかと思います。そしてそれは本人の模試の成績で、合格可能性が高い学校の中から選ぶのがよいでしょう。
おススメなのは、2月1日にしっかりと合格校を確保しておくことです。
最近の入試では「午後受験」も一般化してきていますので、それをうまく活用してまずは1校、合格を取っておくのが良いでしょう。特に最近では中学受験の世界が全体的に安全志向となり、中堅上位の学校を中心として倍率の高騰が目立ちます。より綿密な作戦が必要となってきますので、塾の先生などと今一度、よくご相談ください。電話一本で済む話ですので、保護者の皆様の心の安心を得る上でも、今すぐに塾に電話してみてくださいね。
中学受験直前やるべきこと3. 中学受験は単なる「通過点」と考える
中学受験直前。あとは腹をくくれば楽になります!
中学受験を始めると、多くの保護者の方が「中学受験シンドローム」に陥ります。「中学受験シンドローム」とはすなわち、世界のすべてが中学受験を中心に回ってしまい、これで失敗したら子どもの将来は真っ暗だ、といった気持ちになってしまうことをいいます。入試が近づくにつれて、このようになってしまう保護者の方が増えていくのです。
声を大にして言いたいのですが、中学受験でお子さんの将来は決まったりしません。
一部の塾の先生が子どものやる気を鼓舞するために、あるいは不合格になった時に自己の責任を回避するために、扇動的に「中学受験でお前らの将来が決る。だから死ぬ気でやれ」などと言ったりしますが、時代錯誤も甚だしいです。はっきり言って御三家中学に合格しようと、偏差値の高い学校に進学しようと、将来には何の関係もありません。
将来を決めるのはその子がその後の人生をどう生きるかであり、中学や高校あるいは大学に進学したあとでどれだけ努力したかが重要なのです。中学受験は人生の一通過点に過ぎないのです。そのことを中学受験直前のこの時期に改めて心に留めておくことこそが、今の皆さんには必要なことだと思います。
敢えて申し上げますが、保護者の皆さんには、是非この時期に中学受験の呪縛から解き放たれて欲しいと思います。そしてこれは私の経験則ですが、「うちは入れればどこでもいいのよ~」とか「ダメだったら公立中学に行けばいいんだから」「不合格だって人生経験」くらいの気持ちでいる保護者の方のお子さんの方が、案外うまくいったりするものなのです。
中学受験直前やるべきこと4. どんな結果でも受け止める覚悟を決める
千葉県のある私立中学の新入生保護者説明会で、そこの校長先生は毎年こんな話をされるそうです。「子ども達は入学したその日から気持ちを切り替えて新たな道を歩み始めます。いつまでも入試結果をひきずるのはお母さんの方です。お子さんの新たな門出をもっと喜んでください」志望順位の低い学校にしか合格できないと、保護者の皆さんとしてはどうしても「もっとやらせておけばよかった」とか「あっちの塾にすればよかった」と後悔しがちです。中には保護者の方が涙を流して悔しがったり、子どもを激しく叱責したりしてしまう方もいます。
入試は水ものですから、「まさか」はつきものです。成績的には充分届いていても、うまくいかないこともあります。そんなとき一番よくないのは、子ども達が新たな一歩を踏み出しにくい環境を、保護者の皆さんがつくってしまうことです。中学受験の失敗が原因で、お子さんの学習意欲がそがれたり、チャレンジすることに対して恐怖を感じてしまうようになっては、中学受験をする意義自体が損なわれ本末転倒です。
不合格になって挫折を味わったとしても、長い人生を考えればそれがむしろいい経験になることだってあります。あとはそれを保護者の皆さんがしっかりと受け止められるかどうかです。それができないのであれば、厳しい言い方になりますが、最初から中学受験なんてさせるべきではないのです。
中学受験直前やるべきこと5. 最後の対策は健康管理
実はこれこそが、入試直前期の保護者の皆様がやるべきことで最も大切なことです。いやむしろ「入試直前期の保護者の皆様がやるべき唯一のこと」と言っても過言ではありません。毎年2/1の入試本番に、インフルエンザにかかって保健室受験になる生徒は一定数います。インフルエンザなら、リレンザとかイナビルといった薬により高熱やのどの痛みが劇的に緩和されるためまだましですが、ノロウィルスに感染してしまうと最悪です。まともに受験会場にすらたどりつけないでしょう。お子さんが感染症にかからないようにするというリスクヘッジは保護者の方にとってはマストです。場合によっては、1月のラスト一週間くらいは学校を休ませるという選択をしてもよいと思います。
外から帰宅したら「うがい・手洗い」をさせることはもちろんのこと、充分な睡眠をとらせることも非常に重要です。身体の免疫力が低下するとウィルスや細菌に感染しやすくなります。その意味でもこの時期に大量の課題を与えて無理をさせることは、絶対にやってはいけないことなのです。またお子様の体調管理に日々気を配っていれば、余計な不安やイライラに惑わされることも少なくなり、一石二鳥であるといえます。
総じて言えることは、「中学受験直前のここまできたらもう腹をくくってじたばたしない」ことだと思います。そうすればやきもきしなくて済みますし、むしろその方が上手くいったりするものです。頑張りましょう!
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