数の数え方に注意
多少でもフランス語をご存知な方への情報として、ベルギーとフランスでは数の数え方が異なります。フランス人は、ベルギー人が70をseptante、90をnonanteと言うのを聞いて「まるで子どもみたい(子供がよくそういう間違えをするため)」とやや嘲笑気味に驚きますが、この方が直感的でシンプル(7のことをsept、9のことをneufというから)。スイスの仏語では、これらに加えて、80はHuitante(8のことはhuit)という言い方をするので、このあたりは「ルールの違い」と認識するのが良さそうです。
ついでに数字のお話をもう少し。ドイツ語をご存知の方には判りやすいと思いますが、オランダ語では、2桁の数字を読むときには、1の桁から読みます。たとえば、28なら「8と20」という風に。このため、蘭語話者の中には、英語で数字を言っているのに、うっかり蘭語の法則にしたがって間違うことがあります。たとえば、28ユーロと答えるのに、820ユーロと聞こえるかもしれないので驚かないでくださいね。
感謝や譲歩の言葉はマジック!
それでも、感謝や譲歩を表す語句、たとえば「ありがとう」や「どうぞ」は、現地の人々の好意や親切を引き出す魔法の言葉です。特に、レストランなどで注文するのに、「Please」をつけるかつけないかは雲泥の差を招きます。お水がほしいなら、「ミズ!」と叫ぶのではなく、「ミズ、お願いします」(英語ならWater, Please!)は黄金律であり、子どもでも知っている最低限のマナー。「申し訳ありませんが、お水を一杯お願いできますか?」などという完璧な文章はいえなくても、「お水、お願いします!」と言えば、とても親切に対応してくれるでしょう。知っていると快いのは挨拶の言葉
いくら英語の通用度が高いとはいえ、日常の挨拶の言葉くらいは、知っているよいかもしれません。が、あくまで一番大切なのは、上記の「感謝」と「ごめんなさい」です。後は英語で充分といえば充分ですので。独特の語句に注意!
同じフランス語でも、フランスとベルギーで異なるものを指す場合や語句が全く違う場合があります。ベルギー人は、フランスで最初に頼むコーヒーにいつもエスプレッソが出てきて泣かされますし、ベルギーに来て、エスプレッソのつもりでカフェと注文したフランス人は、ミルク付きの大きなコーヒーカップを見てぎょっとすることになるのです。オランダ語でもオランダとベルギーの間で同じ語彙の違いがまれにあります。そんな例をいくつか挙げておきましょう。
知って使って現地人気分の言葉
ベルギーでは、蘭語話者でも、小さな慣用句、間投詞、相づちなどを仏語で言うことが多いのが特徴です。たとえば、ça va? (サヴァ?)、voila!(ヴォアラ!)、oulala!(ウーララ!)など。1日過ごせば10回は耳にするので、自然に聞き覚えてしまうでしょう。ça va? (サヴァ?)
「お元気?」「大丈夫?」などの意味のほか、「これでいいですか?」「何か問題はないわね?」などの意味で、レストランやお店でしょっちゅう聞かれるフレーズ。知っておくととても便利です。肯定するときは、イントネーションを下げて、ça va!(サヴァ!)と応えればよいので簡単です。何か問題があるときは、ça va pas! (サヴァパ!)と困り顔で訴えてください。慣用的な言い方ですが、これなら覚えやすいし、旅人には便利な言葉です。
voila!(ヴォアラ!)
頼んだお料理や品物を持ってきてくれたときなどに、「さあ、どうぞ!」という意味で頻繁に使われる表現です。お金を払うときなどにこちらからヴォアラ! 先方からヴォアラと言われたら、ありがとう!と受け答えすればよいでしょう。
oulala!(ウーララ!)
「へ~!」「うっそ!」「大変!」というような間投詞です。これを言われるような局面にあったら、ちょっと困った感じの表情をすればよい受け答えになるでしょうが、もし、それで助けてもらったら、「ありがとう!」をお忘れなく。
さて、これだけバッチリ頭に入ればもう安心。ベルギー旅行を満喫してください!