BRZは「操る愉しさはそのまま」に乗り心地の質感を向上
一部改良後の86に乗る機会はありましたが、BRZには2014年6月27日の発売から、まだ乗っていなかったので、どのように変わったのかを確認するため借り出し、市街地、高速道路、ワインディングを約300kmばかり走行しました。少しおさらいすると、BRZと86の相違点として、内外装に異なる箇所がいくつかあることと、サスペンションセッティングが差別化されていることが挙げられます。サスペンションについて、両車のデビュー当時に訊いた際には、スバルとトヨタの両開発関係者とも「微々たる差」であると表現していましたが、実際に乗ると、明確な違いがあるように感じていました。
4輪のグリップバランスを重視して、操縦安定性と俊敏なハンドリングを両立させていたBRZに対し、86はリアを固めてフロントをよく動くよう柔らかめにすることでトラクションのかかり具合を積極的にコントロールしていける味付けとなっていました。ゆえにBRZはグリップ走行向きで、86はドリフト走行向きと評されるようになったわけです。
「S」には、215/45R17サイズのタイヤが標準装備。今回の改良で変更があったのはダンパーのチューニングのみで、スプリング、スタビライザー、ブッシュなどは変更なし。姉妹車「86」でも話題になった、フロント4本とリア2本の取り付けボルトは、もちろんフランジの肉厚なタイプに交換されている
そこで2014年の改良では、まさしくそこに手が加えられました。リリースによると、「より気持ちの良い走りの実現を目指し、フロント&リヤサスペンションダンパーのフリクション特性や減衰力特性のチューニングを行ない、操る愉しさはそのままに、乗り心地の質感をさらに向上させました」と記されています。